Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究は、これまでのパルス状粒子ビーム利用における「入射粒子とそれに後続する二次粒子線の観測事象との対応を一つずつ同定できない」という最も深刻な困難を突破する、新しい測定技術を開発する試みである。そのために、入射ビームパルス内の個々の粒子(本研究ではミュオン)の入射時刻と位置、および試料中に停止した粒子からの後続事象(陽電子放出)の時刻と二次元位置情報をピクセル型検出器で測定し、これら2つの二次元画像の相関を取ることで入射粒子と後続事象間の一対一の対応を同定する。これにより、パルス状粒子ビーム利用による高時間・位置分解能測定の原理実証を行う。
本研究では、入射ミュオンとそれに後続する電子/陽電子/負ミュオン捕獲X線などの測定事象との対応を一つずつ同定することが困難である、というパルス状ミュオン利用実験の最も深刻な限界を克服するために、ビームパルス内の個々のミュオンの入射時刻と位置を二次元検出器で検出するとともに、試料中に停止したミュオンからの後続事象の時刻と二次元位置情報をピクセル型検出器を用いて測定し、これら2つの二次元画像の相関を取ることで事象間の一対一の対応を同定することが目的である。2022年度には、検出器専用の架台(ファイバー検出器を受光するためのアバランシェフォトダイオード設置端末を兼ねる)を完成し、これと前年度に完成・納入されたミュオン画像用の2台のホドスコープ(0.1 mm径プラスチックファイバー二次元検出器、各x/y方向用)および陽電子画像測定用のピクセル型検出器(500 μmシリコン+読み出し用集積回路TimePix3、55 μmピッチ、256x256ピクセル)をPVDF試料とともに組み込んだ実験装置を完成させた。また、ミュオン大学共同利用のための課題申請を行った結果、1.5日間のビームタイムを認められ(課題No.2022B0245)、J-PARC MLFのS1エリアにてビーム実験を行った。その結果、それぞれの検出器で個々のミュオンおよび崩壊陽電子の位置および時間情報が得られていることが確認され、実験は成功した。2つの検出器間のイメージ相関を取るためのデータ解析は現在も進行中である。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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https://member.ipmu.jp/SpaceTech_to_QuantumBeam/publications/2021-d01-7/index.html