Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究では、統合失調症病態メカニズムの解明を目的に、福島精神疾患死後脳バンク及びび新潟大学脳研究所保管の死後脳を測定対象とし、ストレス関連分子やGABA関連分子のSNPs、脳特異的デノボ変異、CNV、メチル化、及びmRNA発現について、NGSで調べ、それらのデータに基づいてクラスター解析、パスウェイ解析を行う。また、上記で同定した統合失調症脳内分子プロファイルをエンドフェノタイプとして、各々の遺伝子多型や生前の臨床情報との関連を解析し、関連の大きい分子については脳組織切片で免疫組織化学的に検討し、タンパク発現定量を行う。以上を通して、統合失調症脳病態を多階層で検証し、層別化する。
網羅的SNP解析、CNV解析、RNA-seq解析、メチル化アレイ解析を実施し、得られた死後脳オミックスデータを用いて、統合失調症病態について下記の新規所見を得た。GABA系の関連分子とμオピオイド受容体(MOR)に焦点を当てた網羅的解析では、MOR遺伝子上のSNP rs1799971は人種依存的に統合失調症リスクと脳内のMOR発現量と抗精神病薬反応性に影響を与えることを発見した。また、前頭前皮質のRNA-seqデータを用いて、ストレス関連分子の遺伝子発現量に基づき統合失調症を高ストレス応答群と低ストレス応答群に層別化した研究では、両群のパスウェイ解析でDNA二重鎖切断の修復に関わる経路に最大の差を見出し、高ストレス応答群ではDNA損傷とそれに伴う修復機構の亢進が生じてde novo変異などの修復エラーを介して統合失調症の発症に至る可能性が考えられた。さらに、同じく前頭前皮質のRNA-seqデータを用いて統合失調症と健常対照群を比較した解析では、両群で発現量が異なる遺伝子(Deferential Expressed genes; DEGs)を8551個同定し、それらに対して重み付き遺伝子共発現ネットワーク解析を実施したところ、多発性硬化症関連遺伝子群、炎症関連遺伝子群及びCREB関連遺伝子群の3つの症状関連遺伝子群を見出した。このうち、多発性硬化症関連遺伝子は、網羅的SNPs解析から算出したpolygenic risk score(PRS)と有意な関係にあり、遺伝的枠組みの影響を強く受けていることが示唆された。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Journal Article (10 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Peer Reviewed: 5 results, Open Access: 5 results) Presentation (8 results)
Medical Science Digest
Volume: 49(3) Pages: 157-160
精神医学
Volume: 65(4) Pages: 417-424
Neurochemical Research
Volume: in press Issue: 9 Pages: 2715-2727
10.1007/s11064-022-03599-9
Biological Psychiatry
Volume: - Issue: 5 Pages: 362-374
10.1016/j.biopsych.2022.04.003
Neuroscience Research
Volume: 175 Pages: 73-81
10.1016/j.neures.2021.09.004
精神科
Volume: 40 Pages: 416-421
International Journal of Molecular Sciences
Volume: 22 Issue: 15 Pages: 8280-8280
10.3390/ijms22158280
Precision Medicine
Volume: 11 Pages: 1051-1055
Science Advances
Volume: 7 Issue: 46 Pages: 1-5
10.1126/sciadv.abl6077
日本生物学的精神医学会誌
Volume: 32 Pages: 179-185
130008134590