Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
ヒストンの修飾状態やクロマチンの凝集状態は、転写制御に重要な役割を果たす。ヒストンのアセチル化が転写開始から伸長への移行を加速することが計画研究の木村班によって、非コードRNAが凝集体を形成し、ヌクレオソームを不安定化することによって遺伝子を活性化することが計画研究の斎藤班によって実験的に示されている。本研究では、アセチル化したヒストンと非コードRNAによる転写活性化に焦点を絞り、アセチル化したクロマチンと非コードRNA(および、結合タンパク質)が凝集体を形成することに注目し、相分離凝集体形成による転写活性化の物理を理論的に明らかにする。
前年度の研究では、核小体の多相構造のモデルを構築したが、パラメータのモデル値を使った定性的な解析にとどまっていた。Pre-rRNAやFBLの高分子物性値を評価した実験はまだほとんどないが、これまで行われてきた実験を参考にして可能な限りの見積もりを行った。核内のFBL濃度が比較的低いため、前年度想定していたのとは異なるレジームであることが分かった。このレジームでは、FBL-FBL相互作用パラメータを大きくすると、相転移が起こる相互作用パラメータ付近でFBLの濃度が小さな値から大きな値にジャンプし、それに伴い、FC表面のpre-rRNAが膨潤することが特徴である。このレジームについて再度数値計算と極限解析を行うことによって、1. FCの半径とDFCの厚さが同じくらいであることと、2. FCの半径が転写レートの-1/2乗に比例することを示した。結果1はこれまで行われてきた核小体の多相構造を調べる実験とコンシステントである。結果2の-1/2乗という数字は、(レジームが同じである限り)パラメータによらない普遍量であるので、理論を実験的に検証するために良く測定される量である。そこで、公募研究の山崎講師に、FCの大きさとrRNAの転写量の定量的な測定を行っていただいた。その結果、上記の結果2が実験とコンシステントであることが分かった。本研究の結果は、bioRxivにアップロードされている(doi: 10.1101/2021.09.09.459702)。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021 Other
All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (4 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 4 results, Open Access: 3 results) Presentation (10 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Invited: 3 results)
Front. Mol. Biosci.
Volume: 9 Pages: 925058-925058
10.3389/fmolb.2022.925058
Volume: 9 Pages: 974772-974772
10.3389/fmolb.2022.974772
Methods Mol. Biol.
Volume: 2509 Pages: 361-393
10.1007/978-1-0716-2380-0_22
Biophysical Journal
Volume: 121 Issue: 14 Pages: 2742-2750
10.1016/j.bpj.2022.06.014