Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
物理学者・生物学者・化学者の三者協力により、前人未踏の細胞内の分子イメージングを実証し、クロマチンの機能を分子レベルで理解するための新しい方法論を確立することを研究目的とする。さらに、同一の細胞株に対して、ライブイメージングをおこなうことで、超流動ヘリウム蛍光顕微鏡で観察されたナノレベルの空間情報がクロマチン動態にどのように関係しているかについて研究する。我々はすでに、前回の公募研究において、細胞外であれば光による分子イメージングに成功しており、これを利用して研究をおこなう。
本研究の目的は、クロマチン動態を分子レベルで理解するための新しい方法を開発することである。このため、超流動ヘリウム蛍光顕微鏡を用いて、前人未踏の細胞内の分子イメージングを実証し、同一の細胞株のライブイメージングによりクロマチン動態を観察する。二つの方法で得られた分子イメージとライブイメージから、クロマチンの機能について研究することを目的として、研究をおこなった。細胞内の分子イメージングには成功しなかったものの、今年度は大きな成果があった。我々が開発してきたクライオ蛍光顕微鏡では、ナノレベルの安定性を得るために対物レンズと試料を同一の試料ホルダーに設置し、共に超流動ヘリウム中に浸すというデザインを用いている。このデザインを用いることで、顕微鏡全体の安定性として10時間で数nmに抑えることに成功している。ところが、この場合、試料ステージを空間的に走査することが必須であるが、安定性と走査範囲に反比例の関係があり、安定性をナノレベルに設定すると、走査範囲が0.1 mm程度に制限されてしまうのが現状であった。このため、不均一性が高く、サイズが大きな試料である生体系を観察するのには大きな障害となっていた。そこで、本年度は、試料ステージの安定化に用いていた位置センサーを静電容量方式から光干渉計方式に変更することで、オングストロームの安定性を持ちながら、ミリメータの走査範囲を確保することに成功した。これは、クロマチンだけでなく、生体系一般に使える技術となった。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results, Open Access: 1 results) Presentation (9 results) (of which Invited: 3 results)
Review of Scientific Instruments
Volume: 93 Issue: 10 Pages: 103703-103703
10.1063/5.0107395