Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
有機化学・ペプチド化学・生命科学が真に協働したケモテクノロジーの創出は、複雑なユビキチンコードの解明の重要な契機となる。本研究では、ユビキチン鎖の構造や機能を制御する構造因子であるユビキチン連結領域に着目し、ユビキチン連結領域を有機化学的に機能化した特殊ユビキチン鎖プローブを創製し、計画研究と有機的な連携することで、ユビキチンコード解明を加速化するケモテクノロジーの創出を目指す研究課題である。
本研究では、ユビキチン鎖の構造や機能を制御する重要な構造因子である2つのグリシン残基とリシン側鎖からなるユビキチン連結領域を有機化学的に改変した特殊ユビキチン鎖プローブの創製研究を展開した。(1)脱ユビキチン化酵素DUBで加水分解されないDUB耐性型ユビキチン鎖ミミックの化学合成と機能評価イソペプチド結合との構造的相同性、 酵素に対する加水分解耐性、 アミド配座制御能を付与したアルケン型ユビキチン結合等価体の合成経路を確立した。R2年度までの合成法に比べ、新規合成法は2つの幾何異性体を同一のアリルアルコールを鍵中間体から合成可能であり、マルチグラムスケール合成も可能であることから、汎用性・効率性に優れた合成法の開発に成功した。また、それら等価体を導入したユビキチン二量体ミミックの収束的化学合成を達成した。また、同ユビキチン二量体ミミックは脱ユビキチン化酵素に対して加水分解耐性を有すること、それぞれのミミックが異なるデコーダータンパク質の探索に応用可能であることを明らかにした。(2)K48/K63分岐型ユビキチン鎖の化学合成と応用分岐型ユビキチン鎖に結合するデコーダータンパク質を探索するために、K48およびK63で連結した分岐型ユビキチン鎖プローブを創製した。Fmoc固相合成により合成したN末端にシステインを有する48および63残基目で連結したフラグメントペプチドの3つの反応点に対して、ユビキチンのN末端から45残基目に相当するペプチドフラグメントを化学選択的に縮合した。その後、脱硫反応を行うことで所望のK48/K63分岐型ユビキチン鎖の化学合成を達成した. 合成したK48/K63分岐型ユビキチン鎖を化学プローブとして, 細胞内タンパク質との相互作用を網羅的に解析したところ、K48/K63分岐型ユビキチン鎖に対し選択的に結合するタンパク質群を見出した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results, Open Access: 1 results) Presentation (14 results) (of which Invited: 2 results)
The Journal of Organic Chemistry
Volume: 87 Issue: 5 Pages: 2167-2177
10.1021/acs.joc.1c03115