Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
ユビキチン(Ub)は翻訳後修飾因子として機能し、基質タンパク質に存在するリジン残基のアミノ基と結合する事で多様な細胞機能を制御する。さらに、Ub自身もUb化修飾を受ける残基が8種類存在するため、Ub同士が繋がったUb鎖が合成される。これまで一種類の残基で繋がったUb鎖についての研究は進んでいるが、Ub鎖が途中で分岐したもの(分岐鎖)については、その重要性は報告されつつあるものの、未解明な点は多い。本研究では、酵素反応に加えて化学的手法を適用して分岐鎖を大量に合成し、分岐鎖特異性を有するタンパク質との複合体として立体構造を決定することで、分岐鎖の認識メカニズムを解明する。
ユビキチン化は翻訳後修飾の一つで、基質タンパク質に存在するリジン残基のアミノ基とユビキチンのC末端が共有結合を形成する事で、多様な細胞機能を制御する。さらに、ユビキチン自身に存在する7つのリジン残基に加えてN末端のアミノ基がユビキチン化修飾を受けることで、数珠つなぎになったUb鎖が合成される。さらに、細胞内ではユビキチン鎖が途中で分岐したもの(分岐鎖)も合成され、機能している事がわかってきた。本研究では、酵素反応に加えて化学的手法を駆使して分岐鎖を大量に合成する手法を確立し、X線結晶構造解析により分岐鎖特異的に認識する酵素と分岐鎖との複合体の立体構造を決定することで、分岐鎖の認識メカニズムを原子レベルで解明する事を目的とする。昨年度は酵素反応によりK6/K48およびK48/K63分岐鎖を高純度で効率よく合成する方法を確立した。さらに、脱ユビキチン化酵素UCH37-RPN13複合体による分岐鎖特異的な切断活性を確認した。今年度は、酵素反応以外による分岐鎖合成方法として、ジスルフィド結合法を用いた分岐鎖の合成を試みた。この方法では酵素反応では合成が難しい分岐鎖も合成できるが、収率が不十分であったため、今後の条件検討が必要である。一方、UCH37-RPN13とK6/K48分岐鎖との複合体の結晶化に向けて、UCH37-RPN13の精製方法を見直した結果、より効率よく複合体を調製することに成功した。しかし、得られた試料を用いて多くの結晶化条件を探索したが、結晶化には至らなかった。この原因の一つとして、UCH37-RPN13と分岐鎖との結合親和性が十分強くない可能性が考えられる。今後は、架橋剤による複合体の安定化などの手法を用いて、結晶化を目指す。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2023 2022 2021
All Journal Article (8 results) (of which Peer Reviewed: 8 results, Open Access: 3 results) Presentation (8 results) (of which Invited: 2 results)
Frontiers in Molecular Biosciences
Volume: 10 Pages: 1089213-1089213
10.3389/fmolb.2023.1089213
生化学
Volume: 94 Issue: 1 Pages: 67-77
10.14952/SEIKAGAKU.2022.940067
Acta Neuropathologica Communications
Volume: 10 Issue: 1 Pages: 177-177
10.1186/s40478-022-01486-6
Oncology Letters
Volume: 24 Issue: 5 Pages: 394-394
10.3892/ol.2022.13514
The Journal of Biochemistry
Volume: 172 Issue: 1 Pages: 1-7
10.1093/jb/mvac031
Biochem. Biophys. Res. Commun.
Volume: 593 Pages: 144-150
10.1016/j.bbrc.2022.01.018
Angewandte Chemie International Edition
Volume: 61 Issue: 20
10.1002/anie.202117430
Biophysical Journal
Volume: 120 Issue: 16 Pages: 3355-3362
10.1016/j.bpj.2021.06.037