Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
標的タンパク質の分解を誘導する低分子化合物は、標的タンパク質の機能解析および種々の疾患に対する治療薬として注目されている。2種の化合物を繋ぎ合わせたキメラ化合物であるPROTACが注目されている。PROTACに用いるE3 binderにより分解誘導されるネオ基質やTarget binderのoff-targetタンパク質を網羅的に解析・同定することは、PROTACの作用機序を理解する上で非常に重要である。本申請では、近接ビオチン化酵素AirID融合CRBN(AirID-CRBN)を発現する培養細胞を用いたPROTAC依存的な細胞内インタラクトーム解析技術の開発を行う。
当該年度は、AirID-CRBNを用いた培養細胞内へ複数種類のPROTACを投与し、AirID-CRBNによってPROTAC依存的にビオチン化されるタンパク質を解析した。サリドマイド誘導体を用いたPROTACは、標的タンパク質の分解に加えて、CRBNバインダーのネオ基質を分解誘導することが知られている。従って、様々なサリドマイド誘導体を用いて合成したPROTACを培養細胞に投与し、ネオ基質および標的タンパク質のビオチン化を解析した。重要なことに、ビオチン化される強度はこれまでに報告されているネオ基質選択性と同様であったことから、本評価系を用いることで、標的タンパク質だけでなくE3バインダーの選択性を評価することも可能であることが示された。質量分析を用いた網羅的な解析の結果、BETタンパク質の阻害剤であるJQ1を用いたPROTAC依存的なビオチン化タンパク質として検出されたタンパク質はBETタンパク質のみであった。本評価系の感度を改良するため、CRBNのサリドマイド結合ドメイン(CRBN-TBD)を用いた評価系の開発に取り組んだ。結果として、CRBN-TBDにAirIDを融合することで、より高感度にPROTACの標的タンパク質のビオチン化が解析可能であることを示した。さらに、標的未知である低分子化合物を用いたPROTAC依存的な相互作用解析を行った結果、標的タンパク質候補を複数見出した。これらの結果は本評価系がPROTACの評価・解析に利用できるだけでなく、標的未知の低分子化合物を用いた標的タンパク質探索に応用可能であることを示唆している。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Nature Communications
Volume: 13 Issue: 1 Pages: 183-183
10.1038/s41467-021-27818-z
https://www.ehime-u.ac.jp/data_relese/data_relese-190039/