Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
BAG6は、その結合ユビキチンデコーダーUBQLN4と共に、リボソームから小胞体へのポリペプチド配送を監視するプレエンプティブ品質管理を差配している。この経路は、凝集性プリオンあるいは変異インシュリン代謝の中核として機能することが判明した。プレエンプティブ品質管理を標的に、神経変性疾患および遅発性1型糖尿病の克服に向けたユビキチン創薬への応用が、現在、課題となっている。そこで本研究では、ERADに比して研究の歴史が浅いプレエンプティブ品質管理を標的に、基質ユビキチン化の中核を成すBAG6複合体の作動機構を、ケモテクノロジーの手法を駆使して解明する。
本研究期間中、我々は、BAG6には多くのユビキチンデコーダー(ユビキチン結合タンパク質)、並びにユビキチンリガーゼ群が会合していることを見出した。さらに、BAG6が中核となるプレエンプティヴ品質管理の標的として多くの基質タンパク質群を発見し、同品質管理系の機能的重要性を示す多くの研究成果を得ることができた。・BAG6はRab8ファミリー低分子量Gタンパク質をヌクレオチド依存的に認識し、GDP結合型のみをプロテアソームにリクルートすることを発見した(Takahashi et al., EMBO Rep. 2019)。・Rab8ファミリー低分子量Gタンパク質のGDP結合型はUBQLN4, ならびにRNF126の働きにより極めて低い存在量に抑えられており、このバランスが崩れると小胞輸送、特に一次繊毛の形成に障害が発生することを新たに見出した(Takahashi et al., iScience. 2023)。・BAG6を介した小胞輸送の制御系は、インスリン刺激を介して促進されるグルコーストランスポーターの輸送を制御していることも明らかに出来た(Minami et al., Biol. Open 2020)。・Rhoファミリー低分子量Gタンパク質は、 BAG6によりユビキチンリガーゼとの相互作用がブロックされており、BAG6の機能欠損によりRhoファミリー低分子量Gタンパク質は分解系へのリクルートが亢進することを見出した(Miyauchi et al., Mol. Biol. Cell 2023)。・障害ミトコンドリアの細胞内輸送に関与することを見出した(Hayashishita et al., FEBS Open Bio., 2019)
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Mol. Biol. Cell.
Volume: 34 Issue: 4 Pages: 1-18
10.1091/mbc.e22-08-0355
iScience
Volume: 26 Issue: 5 Pages: 106652-106652
10.1016/j.isci.2023.106652
月刊「細胞」
Volume: 53 Pages: 179-181
40022520037
https://www.biol.se.tmu.ac.jp/labo.asp?ID=celche