Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
申請者はこれまでに骨格筋組織を駆動源とするバイオソフトロボットを創出してきたが、筋収縮だけではロボットの動作は遅く、生体のように速く動くことは困難であった。そこで本研究では、昆虫や甲殻類が弓のようにたわませた骨格の復元力を利用して高速に動作していることを模して、骨格の復元力を利用して動く骨格筋駆動型バイオソフトロボットを創出し、バイオソフトロボットの高速動作方法を解明する。これによって、駆動速度の遅い筋肉でもバイオソフトロボットの高速動作を可能にするだけでなく、生体レベルの速さと柔らかさを共存させるための基盤技術を創出可能になると考えている。
本研究の目的は、昆虫や甲殻類が弓のようにたわませた骨格の復元力を利用して高速に動作していることを模して、弓状骨格の復元力で動作する骨格筋駆動型バイオソフトロボットを創出し、バイオソフトロボットの高速動作方法を解明することである。2021年度は、申請者独自のバイオソフトロボット技術とマイクロ加工技術を応用して、まず筋収縮にて弓状骨格の変形・復元を利用可能な駆動機構の構築法および制御法を確立することを目指した。シリコーンゴム骨格に骨格筋組織を配置し、電気刺激にて筋収縮・弛緩を連続的に制御することで、筋収縮にて弓状に変形・復元可能になることを見出した。さらに、このとき重りによって外力を与えることで、変形と復元の力発生方向を変えることを実現した。この機構を取り付けたデバイスを用意することで、弓状への骨格の変形と復元の繰り返しにより、骨格が地面を蹴る歩行様動作が実現可能になることを明らかにした。このように弓状への骨格の変形・復元がバイオソフトロボットの動作に利用可能なことの実証に成功した。さらに、皮膚組織を被覆したバイオソフトロボットの構築法確立を目指して、皮膚組織で覆われたロボットフィンガを実現した。ロボットフィンガの屈曲によっても皮膚は破断することなくロボットの被覆素材として適していることが確認できた。また、皮膚が撥水性を有していることも確認され、内部構造の乾燥を防止できることが示唆された。本技術は皮膚組織を被覆したバイオソフトロボットへの応用が期待できる。
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
当初の計画通り、筋収縮にて弓状骨格の変形・復元を利用可能な駆動機構の構築法および制御法の確立ならびに皮膚組織によるロボット構造の被覆法を明らかにしており、研究は順調に進展していると見なすことができる。
複数の骨格筋組織付き弓状骨格を有するバイオハイブリッドソフトロボットを構築し、各々の筋組織の協調運動による複雑な動作の実現を目指すとともに、皮膚組織で被覆された骨格筋組織付き弓状骨格を構築し、空気中での高速動作の実現に挑む。
All 2021
All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 2 results, Open Access: 1 results) Presentation (8 results) (of which Int'l Joint Research: 7 results)
Biotechnology and Bioengineering
Volume: 119 Issue: 2 Pages: 636-643
10.1002/bit.27989
Micromachines
Volume: 12 Issue: 11 Pages: 1411-1411
10.3390/mi12111411
Journal of the Robotics Society of Japan
Volume: 39 Issue: 4 Pages: 310-313
10.7210/jrsj.39.310
130008043126