Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
体外受精後の胚移植における低い着床率や,異所性妊娠などの重篤な事象の原因として,子宮内で胚の位置が制御されていないことが挙げられる.よって,胚を子宮壁の適切な位置に精密に保持するために,マイクロロボットに受精卵を格納して子宮内に移植し,子宮内に保持されたデバイス内で受精卵を胚盤胞まで成長させ,近赤外光による光アクチュエ―ションにより,着床に最適なタイミングで胚を子宮内に放出するシステムを開発する.
従来の胚移植では,胚を子宮内に培養液とともに注入するため,適切な位置に着床するか否かは確率過程であった.よって,胚を子宮壁の適切な位置に精密に保持することができれば,低い着床率や,異所性妊娠など胚移植における問題の多くが解決されると期待できる.これまでに開発した胚移植制御システムでは,子宮内に導入後,直ちに胚が収容部から放出されるため,着床直前の胚盤胞の段階まで体外で受精卵を培養しておく必要があり,治療の適応範囲に制限があった.本研究では,受精卵の段階で胚をデバイスに格納して子宮内に移植し,子宮内に留置したデバイス内で胚盤胞まで成長させ,着床に最適なタイミングでデバイス外に放出することを目的として要素技術の研究を実施した.具体的には,光硬化性形状記憶ポリマーに,近赤外光を選択的に吸収し光熱変換するナノマテリアルを配合し,光造形方式3Dプリンタを用いて,近赤外光照射で駆動する光応答性アクチュエータのプロトタイプを開発した.胚のサイズに合わせた200μm四方の開口を持つアクチュエータが,完全に閉じた状態から,近赤外光の照射を受けて開口することを実証した.また,近赤外光の照射により,元の形状に対して95%以上の復元率を達成した.また,MEMSスキャナを用いた小型レーザ照射光学系と,画像認識プログラムを統合し,目的とするエリアのみに近赤外光を照射するシステムを開発した.以上により,デバイスの動作を近赤外光でコントロールできる,光応答性マイクロロボットの基盤技術を確立した.
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2023 2022 2021
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results, Open Access: 1 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results) Patent(Industrial Property Rights) (1 results)
Journal of Robotics and Mechatronics
Volume: 34 Issue: 2 Pages: 291-293
10.20965/jrm.2022.p0291