細胞が棒状機材を操作することで作るしなやかなヒレの形態形成原理
Publicly Offered Research
Project Area | Science of Soft Robot: interdisciplinary integration of mechatronics, material science, and bio-computing |
Project/Area Number |
21H00327
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Complex systems
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
黒田 純平 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 助教 (80726521)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | 形態形成 / 鰭 / バイオイメージング / 骨 / コラーゲン / 細胞外マトリックス / 骨格 / 結合組織 / 骨形成 |
Outline of Research at the Start |
魚類のヒレは、薄く、鞭のようにしなやかで、しかも強靭である。これらの物理的な特徴は、水中で乱流を作らずに推進力を得るために理想的なものであると考えられている。これまでに研究代表者は、アクチノトリキアと呼ばれる棒状のコラーゲン結晶構造を細胞が組み立ててることにより構築されるヒレの形態形成原理を明らかにしてきた。 本研究では、各種細胞の挙動を「部品の操作」と単純化することで、複雑な形態形成現象を「工学的な過程」として理解することを目指す。 しなやかな構造であるヒレの形態形成を、工学の視点で理解することで、ソフトロボット学の発展に貢献するとともに、バイオミメティックに新しい視野をもたらすと期待している。
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Outline of Annual Research Achievements |
動物の器官、特に移動に関わる手足やヒレ、羽などの外部器官は、「しなやか」で「柔軟」な動きを必要とする。これらの器官を作っているのは、やわらかな細胞と、コラーゲンなどの非細胞素材だが、小さな細胞達がどのようにして自身のスケールをはるかに超える構造を正確に構築し、機能的な運動器官を作り上げるのか、その仕組みはほとんど明らかにされていない。 本研究課題では、水生生物が持つ「ヒレ」の形態形成をモデルに、しなやかな運動器官の形態が構築される原理を明らかにすることを目的とした。具体的には三つの生物種のヒレに着目した。 1)魚のヒレは放射状に発達する骨により支えられているが、各骨は、棒状のコラーゲン繊維構造「アクチノトリキア」を基に形成されると推測されている。研究代表者が確立したヒレのライブイメージングの系によって、アクチノトリキアはヒレの成長の間、成長方向に向かって常に移動すること・古くなったアクチノトリキアは選択的に分解されることを発見した。またこれらの工程に関与する細胞を特定することにも成功している。 2)魚類とはかけ離れた系統グループに属する毛顎動物であるヤムシは、幼生期の魚類が持つヒレとよく似た形状のヒレを発達させる。研究室内で付加直後のヤムシを発生させることに成功した。初期のヒレ形成過程を2光子顕微鏡で観察することで、アクチノトリキアと形態的に類似した細胞内の棒状構造を用いてヒレを成長させることが明らかになった。 3)軟体動物・翼足類は、左右二枚のヒレ状の組織(翼)を発達させ、海中を遊泳する。翼足類が海中を効率よく遊泳するためには、翼内に筋肉繊維が立体的に規則正しく配向化する必要がある。透明化技術を使った高解像度イメージングを行うことで、翼を支える筋肉のネットワークが構築される仕組みについて明らかにした。 以上の成果は複数の国内学会にて発表・報告している。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)