Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
地球上には10の31乗 個ものウイルス粒子が存在し、この惑星の各地で、ウイルスと人類は共進化を繰り返しきた。島国に居住するヤポネシア人は、歴史上、何度も「ヤポネシア型のウイルス」との共進化を経験してきたことが想像される。そこで、本研究は、ほぼ全ての人類と共生状態に至っているヒト・ヘルペスウイルス(HHV) に着目し、各年代のヤポネシア型のHHVの遺伝情報を紐解き、得られた実験学的知見に関して、本領域研究における有識者のコンサルティングのもと、各年代のヤポネシア亜型HHVとヤポネシア人の進化的軍拡競走を解釈・考察することで、HHVがヤポネシアの成立・発展に与えた役割を紐解くことを目標とする。
ヒトヘルペスウイルス(HHV)研究のプロトタイプである単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)は、代表的な大型DNAウイルスであり、一般的にその遺伝情報はRNAウイルスと比較し安定であると考えられている。古くから、HSVゲノムの制限酵素パターン解析から現代ヤポネシア人のHHVゲノム型は大きく2分割され、日本人ルーツに関する縄文・弥生2重構造説と適合するという見解もあり、HHVの株間のSNPsやIndel解析は、大陸間の人類の移動の痕跡をある程度反映しており、ヤポネシア人のルーツを探る上でも、補助的な情報となることが期待される。本研究では、HSV-1の複数の株に関して、全塩基配列の決定を実施し、HSV-1の代表的な実験室株と比較し、強毒なHSV-1株では、頻度90%以上のSNPs(single nucleotide polymorphysms:一塩基多型)が316部位、Indel(insertion/deletion:挿入あるいは欠損)が49部位で認められた。本知見は、比較的遺伝情報が安定と考えられてきたHSV-1においてもSNPsやIndelが多数認められ、人類の移動の痕跡を追跡するツールとして、HSV-1が補助的な情報を提供しうるという仮説をサポートするものと考えられる。また、全塩基配列の決定により得られた9部位のinsertion情報を詳細に解析したところ、強毒なHSV-1株のゲノムでは頻度39.25%程度の確率で、生体レベルにおけるウイルス増殖に関与するアクセサリー蛋白質のC末端に存在するリピート配列が伸長していることが示唆された。そして、実際、Immunoblotting解析により該当アクセサリー蛋白質のサイズ・アップが確認された。したがって、本変異がHSV-1株の病原性を規定している可能性が考えられた。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2023 2022 2021 2020 Other
All Journal Article (7 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 7 results, Open Access: 7 results) Presentation (18 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Invited: 1 results) Remarks (2 results)
Nature Cell Biology
Volume: 25 Issue: 3 Pages: 453-466
10.1038/s41556-023-01098-9
Journal of Virology
Volume: 96 Issue: 24
10.1128/jvi.01429-22
Volume: - Issue: 10 Pages: 10-10
10.1128/jvi.00306-22
Volume: 96 Issue: 2
10.1128/jvi.01704-21
Volume: 95 Issue: 5
10.1128/jvi.02172-20
Nature Communications
Volume: 11 Issue: 1 Pages: 4894-4894
10.1038/s41467-020-18718-9
Volume: 95 Issue: 3
10.1128/jvi.01413-20
https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/Kawaguchi-lab/KawaguchiLabTop.html
http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/Kawaguchi-lab/KawaguchiLabTop.html