Development of a model of linguistic change based on Southern Ryukyuan languages and its application to linguistic phylogeny
Publicly Offered Research
Project Area | Deciphering Origin and Establishment of Japonesians mainly based on genome sequence data |
Project/Area Number |
21H00353
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Complex systems
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Research Institution | National Institute for Japanese Language and Linguistics |
Principal Investigator |
CELIK KENAN 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, プロジェクト非常勤研究員 (70825596)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 南琉球 / 歴史言語学 / 語彙研究 / Southern Ryukyuan / Linguistic Phylogeny |
Outline of Research at the Start |
本研究課題は、沖縄県宮古諸島及び八重山諸島で話される南琉球諸語を対象とし、大規模な語彙データを元に南琉球祖語を再建した上で、祖語から現在の諸方言に至るまでの変化に基づき、言語変化のモデルを構築し、それを南琉球諸語の系統関係の解明に応用することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度(令和3年)は研究計画にそって2人の研究協力者(麻生玲子・名桜大学 、中澤光平・東京大学)と共に以下の1~3の研究を行った。 1. 資料収集:遠隔調査や対面による調査で南琉球11地点を対象に新たな資料(語彙・アクセント資料)を収集した。調査地点と収集資料点数は次の通りである。宮古語:水納島(18000点)、砂川(3000点)、宮国(700点)、皆愛(3000点)、狩俣(2000点)、与那覇(3000点)、佐良浜(2000点)。八重山語:黒島仲筋(1200点)、波照間(900点)、小浜(800点)、西表網取(1200点)。上記の地点以外にも八重山宮良、八重山川平 、八重山新城の話者から調査協力の同意を得ており、来年度以降調査を実施する予定である。また、多地点を対象とする高効率の資料収集を実現できるよう、「ハイブリッド遠隔型」調査の方法を立案し、実施した。実施結果とその評価はこれまでの南琉球語彙研究を対象としたメタ研究の分析と共に論文にまとめ、投稿した(『国立国語研究所論文集』第 23号掲載予定)。 2. アクセント型の同定および資料のデジタル化:琉球大学の狩俣繁久先生の協力の下『竹富方言辞典』の各項目の音声を紐付けした。その上で、各音声ファイルに対してアクセント型の同定作業を行った(約 10,000項目同定済み)。『クモーマスィマヌクトゥバ 』(小浜方言)をデジタル化し、著者と一緒に項目の音声化を開始している。 3. 「琉球祖語 データベース」の構築 ・公開準備:「琉球祖語データベース(仮)」の構築を継続し、現時点では7000語強の同源語を再建している。各語彙データとの紐付け作業(各語彙データへの同源語の ID入力作業)も継続し、現時点では約12万語の紐付けが完了している。一般公開に向けてデータベースを記述する論文の執筆を進めてきており、来年度初頭に投稿を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は以下の理由で順調に進んでいることが言える。 第一に、南琉球の各地点の語彙・アクセント調査が非常に順調に進んでいる。本年度中、南琉球11地点もの調査を実施し、合計32,000点以上の資料(語彙・アクセント)を収集することができた。また、調査の一環で協力者(方言インフォーマント)のネットワークを広げており、そのおかげで、例えば、西表網取のようにこれまで記述の全くない地点を調査することもできた。それに加えて遠隔調査の新しい方法を試案し、それを実施した結果、データ収集の効率を上げることに成功している。遠隔調査の方法を開発することによって、複数の地点を同時に調査することが可能となっており、来年度も高効率でデータを収集することが予測される。 第二に、本研究課題のコアとなる「琉球祖語 データベース」の構築が順調に進んでいる。現時点では、祖語の7000項目を再建しており、12万語以上の紐付が完了している。本研究が目的としている言語変化の要因を分析するにあたって、状況が整えられていると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度(令和4年度)に次のように研究を推進していく予定である。 1. 資料収集:前年度に引き続き、南琉球各地点の語彙・アクセントデータを収集する。予定している地点は次の通りである。宮古語:多良間、水納、皆愛、与那覇、狩俣、佐良浜、八重山語:川平、新城、宮良、網取、小浜、黒島。 2. 「琉球祖語 データベース」の構築:祖語のデータベースの構築を継続して進めていく。特に、データベースの一般的公開に向けてデータの整備を実施する予定である。また、公開に向けて、国際学会(Methods XVII)でデータベースの設計について発表する上で、国内誌に同じテーマの論文を投稿する予定である。 3. 言語変化の性質と要因の解明:「祖語 DB」のデータを使って言語変化の性質と要因について分析を行う。 4. 南琉球の系統の解明:「祖語 DB」のデータを使って共有改新を特定し、南琉球各方言の系統を探る。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)
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[Book] みんなふつ語彙集2022
Author(s)
セリック・ケナン、大浦辰夫
Total Pages
387
Publisher
国立国語研究所言語変異研究領域
ISBN
9784910257112
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