Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
多数の種にわたるタケ形態の実測データをもとに、タケ稈の力学特性を決定する断面諸量を算出し、植物生理機能との相関関係の有無を精査する。これらの結果から、タケの構造安定性を記述するための力学理論を独自に構築する。さらに、中空茎植物であるイネとフキについて、茎断面の機能形態と茎全体の構造安定性との相関関係を考察する。
中空の茎や葉柄をもつ植物は、イネ科・キク科・シソ科(オドリコソウ)などに多く見られる。これら多くの植物は、生育環境に応じた最適な断面形状(円形・多角形など)を選ぶことで、最も影響のある力学的負荷(横風・茎の自重・花弁の重みなど)への耐性を高めていると推察される。こうした機能構造の合理性を理論的に定式化することを目的として、最終年度は特にキク科に属するフキの断面特性を調査した。具体的には、入手が容易な市販のアキタブキおよび北海道足寄地方の固有種であるラワンブキ(=高さ3メートルに成長する特異なフキの一種)に対して、その形態測定と力学試験を行った。フォーステスター(MCT2150)を用いた力学試験にあたっては、フキ個体を表皮・維管束・細胞質の3種類に分離し、各材料の応力歪み曲線を導出することで、フキの断面剛性の評価を行った。その結果、フキの表皮には最も力学負荷の高い箇所に剛性の高いリブが配置されていること、フキの維管束は延性に優れていること、フキの細胞質は膨圧増加によって個体の安定性に寄与していること、などがわかった。また、イネの構造安定性についても、秋田県立大学と共同で行った風洞実験により、荷重下におけるイネ稈の倒伏耐性を評価するための定量的指標を提案することができた。さらに、成長応力が引き起こす表面破断に起因するマスクメロン表皮の網目模様について、その幾何学的性質を破壊力学の視点から解析した結果、果皮断片の面積の確率分布がメロン個体の種類や大きさによらない普遍曲線に従うことを初めて明らかにした。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2023 2022 2021
All Journal Article (9 results) (of which Peer Reviewed: 9 results, Open Access: 8 results) Presentation (14 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Invited: 4 results) Book (2 results)
Materials
Volume: 16 Issue: 5 Pages: 2108-2108
10.3390/ma16052108
Journal of the Physical Society of Japan
Volume: 91 Issue: 10 Pages: 104801-104801
10.7566/jpsj.91.104801
Nanomaterials
Volume: 12 Issue: 15 Pages: 2617-2617
10.3390/nano12152617
Scientific Reports
Volume: 12 Issue: 1 Pages: 12417-12417
10.1038/s41598-022-16703-4
Volume: 15 Issue: 14 Pages: 4929-4929
10.3390/ma15144929
Royal Society Open Science
Volume: 9 Issue: 6 Pages: 220151-220151
10.1098/rsos.220151
European Journal of Forest Research
Volume: 140 Issue: 6 Pages: 1533-1542
10.1007/s10342-021-01416-6
Physical Review E
Volume: 104 Issue: 2 Pages: 025009-025009
10.1103/physreve.104.025009
Earth and Space Science
Volume: 8 Issue: 5
10.1029/2020ea001457