Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
生物の形作りでは、器官や組織の形が、刻一刻と複雑に変化していきます。このような形の変化は、多様な形態を生み出すのに必要ですが、異常な変形やサイズの変動が生じやすい危険性をはらんでいます。そこで、体の各部位の位置をモニターし、全体の形にフィードバックする仕組みが必要となります。植物では、形態形成によって発生する張力がシグナルとなり、全体の形にフィードバックされますが、その機構はわかっていません。本研究では、張力に応答して局在を変化させるユニークな性質を持つタンパク質を用いて、張力応答を可視化し、その仕組みを明らかにします。
本研究では、張力応答を抑制し、植物の成長方向と姿勢を整えるシロイヌナズナNIMA関連キナーゼ6(NEK6)をモデル系として、張力応答の可視化とメカニズムの解明を目指した。1)NEK6を用いた張力応答のイメージング: NEK6-GFPと微小管全体をラベルするmCherry-TUB6を発現する2重ラベル株を用いて、花茎・めしべ・種子において、張力応答をイメージングした。取得した画像からNEK6と微小管の配向を定量化するため、画像解析を行った。花茎は円柱形の法則がほぼ適用でき、長軸に垂直な胴回り方向の張力が、長軸方向の張力の約2倍と考えられていた。しかし、分裂が盛んな花茎先端部では微小管の配向にばらつきがあり、必ずしも胴回り方向ではなくばらつきが見られた。一方、細胞伸長が盛んな基部側では、胚軸と同様に長軸方向に配向した。めしべや種子では、ほぼ胴回り方向に配向していた。従って、張力応答は細胞や組織・器官によってばらつきがあり、成長段階によってダイナミックに変化することで、光や重力などの環境刺激に柔軟に対応・応答できると考えられる。細胞除去実験や変異体の表現型解析もあわせて、研究のまとめを行った。2)NEK6のドメイン解析と張力応答の解析: 変異や欠失を導入したNEK6-GFPの局在と張力応答を解析した。キナーゼ活性を消失したNEK6でも張力に応答することを明らかにした。また、微小管局在に必要なドメインを特定した。加えて、部分長NEK6-GFPが張力プローブとして使用できることが示された。これらのドメインに結合する因子の探索を進めた。3)張力応答を制御する因子の解析:カタニンとNEK6の相反作用についての研究を進め、論文としてまとめた。また、NEK6と相互作用する因子の解析、NEK6の局在異常を示す変異体のスクリーニングを進めた。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2023 2022 2021 Other
All Int'l Joint Research (2 results) Journal Article (7 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Peer Reviewed: 4 results, Open Access: 3 results) Presentation (16 results) (of which Int'l Joint Research: 4 results, Invited: 2 results)
biorXiv
Volume: 2023.01.25.525476 Pages: 1-39
10.1101/2023.01.25.525476
アグリバイオ
Volume: 7 Pages: 49-52
Communicative & Integrative Biology
Volume: 15 Issue: 1 Pages: 164-167
10.1080/19420889.2022.2095137
Volume: 2022.07.08.499237 Pages: 1-30
10.1101/2022.07.08.499237
FEBS Letters
Volume: 596 Issue: 23 Pages: 3005-3014
10.1002/1873-3468.14470
Plant and Cell Physiology
Volume: 62 Issue: 5 Pages: 858-871
10.1093/pcp/pcab042
Volume: 62 Issue: 11 Pages: 1718-1727
10.1093/pcp/pcab126