Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
植物の地中部構造が力学刺激にどのような影響を受けるかを詳細に把握することを目的とする.地中に存在する根についてはその状態の把握が困難である.また,多くの植物は根圏と呼ばれる共生領域を創り出していることも地上とは大きく異なる状況である.本研究では2つの研究手法を完成させ,根がいかに応力に応答して構造を変化させるか,また,菌根菌を含めた共生状態・共生構造が外力にも応答するかを把握する.そして,この過程で得られる理解・サンプルを工学的な応用にもつなげる.新たな観察技術により植物の地下における成長を理解するとともに,ガラス・セラミックス構造を複合材料や高効率フィルタとして評価・実用化を目指す.
本申請は,植物の地中部構造が力学刺激にどのような影響を受けるかを詳細に把握することを目的とした.植物「地上部」が力学的刺激に応答して成長パターンを変化する例は,多角的に研究されてきた.しかしながら,地中に存在する根についてはその状態の把握が困難である.そこで,植物を培養しガラスナノ粒子中に根を成長させる.その後,このサンプルを加熱処理することで,植物部分を分解除去し,残ったガラス粒子粉体を焼結・固化させる.これにより,透明ガラス内に植物の根の微細構造を保持したサンプルを得ることができる.植物体形状の観察のためには,ガラスの透明度を高めることが重要である.透明度を下げる要因は主に3つある:(1)ナノシリカ粉末の凝集や気泡の混入による不均一構造,(2)緻密化が不十分な際の空隙,(3)加熱時のガラス結晶化,である.ナノ粒子の均一な分散のため,攪拌条件を網羅的に探索した.また,攪拌後に一定時間サンプルを保持することで気泡を除去できることも確認できた.これらの操作により,透明度を大きく向上させることができた.また,加熱焼結条件の最適化により,十分な緻密化と結晶化の抑制が可能となった.得られた植物根状の空洞は,最も微細な先端部の根毛(直径約10マイクロメートル)まで転写されていた.また,コンタミとして培養中に入り込んだカビの菌糸(直径約3マイクロメートル)も成長したネットワーク構造が残った.この空洞に着色溶液を流し込み,流路となっていることも確認できた.
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results)
Journal of Photopolymer Science and Technology
Volume: 35 Issue: 3 Pages: 219-223
10.2494/photopolymer.35.219
Volume: 34 Issue: 4 Pages: 381-384
10.2494/photopolymer.34.381
130008119673