Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
申請研究では、光誘起構造変化を示すジアリールエテン超分子構造体を用い、可逆かつ巨視的な応答による発動分子システム(i-iii)構築を目的とする。(i) 両親媒性ジアリールエテン超分子構造体の繰り返し変形耐久性向上を目指して、超分子構造体を枯渇力で積層させてからin situ重合させたエラストマー超分子構造体を作成する。これを用いた外部への仕事の取り出しも目指す。(ii) 固体だけでなく液体を動かすポンプを目指して、マイクロカプセル化させたエラストマーを作成する。(iii) 二種類の会合状態を形成する超分子構造体を利用することで、定常光照射下での連続的繰り返し変形を目指す。
光応答性ジアリールエテンをコアに有する両親媒性分子は水中で超分子構造体を形成し、光照射に伴い可逆な形態変化を示す。親水鎖のLCST転移に基づく不連続相転移に基づいた変形であるため、単なる屈曲などではなく例えばファイバーと球状構造の間での変形など、大幅な形態変化を可能とする。このときナノメートルサイズの構造は分子の全体形状や相互作用の異方性に依存することがわかっており、球状ミセルや棒状ミセル、二分子膜などが得られている。厚み方向のサイズは、疎水部を内側に向けた二分子層に基づき10ナノメートル程度であるが、全体としては数百nm程度のサイズである。サンプリング条件次第で、光学顕微鏡で見える1マイクロメートル以上のサイズに成長させることも可能である。すなわち光による変形を行う際、条件によっては超分子構造体が崩壊してサイズが小さくなることもあり、発動分子として考えた際、大きなデメリットである。本研究では超分子構造体の疎水部末端にビニル基を導入しエラストマー化することで、光誘起LCST転移を繰り返しても会合体の微細化や両親媒性ジアリールエテンの溶解が起こらず、安定した繰り返し変形が起きることを目指した。ビニル基を有する化合物を評価したところ、モノマー状態と重合後、いずれにおいても球状の超分子構造体を形成し、LCST転移も示した。さらに重合した場合には繰り返し膨張・収縮を示した。目指していたのは異方的形状を有する超分子構造体の屈曲であり、それについては期間内に達成できておらず今後も研究を続行する。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2023 2021
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (2 results)
Chem. Lett.
Volume: 50 Issue: 11 Pages: 1875-1878
10.1246/cl.210452
130008113725
Chemistry - A European Journal
Volume: 27 Issue: 43 Pages: 11158-11166
10.1002/chem.202101127