Elucidation of singularity mechanisms for brain tumor growth
Publicly Offered Research
Project Area | Singularity biology |
Project/Area Number |
21H00419
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Complex systems
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
上阪 直史 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (70597624)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 腫瘍 / シナプス / 神経細胞 / グリア細胞 / 相互作用 / 脳腫瘍 / グリオーマ / 活動動態 / ネットワーク / グリア / カルシウム / 神経伝達物質 / 腫瘍進展 |
Outline of Research at the Start |
脳腫瘍細胞は極めてまれに変異が生じた1個あるいは少数の正常細胞が変化することで発生し、進展すると不可逆的に動物個体に重篤な被害をもたらす。少数の脳腫瘍細胞がシンギュラリティ細胞であり、それらの細胞が進展する過程にシンギュラリティ現象が存在するはずである。最近、脳内微小環境において腫瘍細胞と正常細胞の間で直接的・間接的にネットワークが形成され、それらのネットワークが腫瘍の進展に影響を及ぼす可能性が報告され、大きな注目を集めている。本研究では「脳腫瘍細胞が周囲の正常細胞とネットワークを形成する時期に腫瘍の進展を決定づけるシンギュラリティ現象が存在する」の仮説を検証し、そのメカニズムを解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
脳腫瘍細胞は極めてまれに変異が生じた少数の正常細胞が変化することで発生し、進展(脳内への浸潤や悪性化)すると不可逆的に動物個体に重篤な被害をもたらす。少数の脳腫瘍細胞がシンギュラリティ細胞であり、それらの細胞が進展する過程にシンギュラリティ現象が存在するはずである。最近、脳内微小環境において腫瘍細胞と正常細胞の間で直接的・間接的にネットワークが形成され、それらのネットワークが腫瘍の進展に影響を及ぼす可能性が報告され、大きな注目を集めている。本研究では「脳腫瘍細胞が周囲の正常細胞とネットワークを形成する時期に腫瘍の進展を決定づけるシンギュラリティ現象が存在する」の仮説を検証し、そのメカニズムを解明する。 2021年度は、グリオーマモデルマウスにおいて脳腫瘍細胞と脳内の正常細胞との関係を解析するとともに、腫瘍細胞の活動動態を解析する技術の開発を行った。脳腫瘍細胞とグリア細胞や神経細胞の関係を明らかにするために、GFPで標識した腫瘍細胞、アストロサイト、ミクログリア、神経細胞、抑制性神経細胞、神経幹細胞を標識し、解析した。その結果、腫瘍細胞の集団内や周囲においてミクログリアの密度が高いことを見出した。一方、アストロサイトは腫瘍細胞の密度が高い領域では密度が有意に低く、腫瘍細胞集団の周囲では密度が高いことが見いだされた。さらに腫瘍細胞集団内やその周囲において神経細胞の密度が有意に低下しており、抑制性細胞の密度も低下していた。また腫瘍細胞の一部は神経幹細胞のマーカーであるNestinを発現していた。これらのことから、脳腫瘍細胞はグリア細胞や神経細胞と相互作用することを示唆される。腫瘍細胞の活動動態を解析する技術として、腫瘍細胞のカルシウムイメージングを行った結果、腫瘍細胞の活動動態が検出され、腫瘍進展とともに活動が増加する傾向が見いだされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
もっとも悪性度が高い脳腫瘍であるグリオブラストーマのマウスモデルを用い、脳腫瘍細胞と相互作用する細胞と相互作用する領域を同定し、さらに腫瘍細胞の活動動態を検出できる技術の開発に成功している。今後、腫瘍細胞と正常細胞とで同時に活動動態を検出し、それらの活動動態と腫瘍進展との関係を明らかにできる準備が整ったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
脳腫瘍細胞と正常細胞の相互作用に関する研究と脳腫瘍の進展における腫瘍ー神経、腫瘍ーグリア細胞のネットワークの役割に関する研究の2点を進める。脳腫瘍細胞と正常細胞の相互作用;脳腫瘍細胞と正常細胞のネットワークを明らかにするために、脳腫瘍細胞ー神経細胞や腫瘍細胞ーグリア細胞の活動動態を同時に検出する。脳腫瘍細胞ー神経細胞や腫瘍細胞ーグリア細胞がネットワークを形成し、相互作用するなら、それらの細胞の活動が同期する可能性がある。この可能性を検証するために、腫瘍細胞、神経細胞、グリア細胞のカルシウムイメージングを行い、それらの細胞が同期して活動するかを検出する。また腫瘍細胞の活動が神経伝達やグリア伝達に依存するか明らかにするために、神経伝達物質の受容体やグリオトランスミッターの受容体の阻害剤やノックダウンを用いたときの腫瘍細胞の活動を解析する。さらに、神経細胞やグリア細胞を刺激し、その刺激に腫瘍細胞が反応するかを解析する。脳腫瘍の進展における腫瘍ー神経、腫瘍ーグリア細胞のネットワークの役割;腫瘍細胞、神経細胞、グリア細胞の活動が腫瘍を進展させるか明らかにするために、それらの細胞の活動を操作し、その後の細胞分裂やマウスの生存確率を解析する。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)