Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
血管は心臓から末梢に向かって分岐を繰り返す広域ネットワークを構成する。血管網のパターンは多様性に富み、各臓器が果たす生理代謝機能や疾患時の病態に直結している。このような血管形成機構の解明は、生物学的・医学的な重要課題に位置づけられているが、秩序だった循環型の広域ネットワークがどのようにして確立されるのかは十分に理解されていない。本研究では新たに開発されたトランススケール顕微鏡を用いて、発生中の胚内部の血管内皮細胞の動きを観察し、血管網形成中の細胞挙動の「特異点」を探索する。見出した特異点を糸口に、そこで働く分子メカニズムを明らかにする。
血管内皮細胞は分化した場所から長距離を移動し、心臓を中心とした広域ネットワークを作りだす。器官レベルにおける血管ネットワークパターンは多様性に富み、各臓器が果たす生理代謝機能や疾患時の病態に直結している。このような血管ネットワーク形成を制御するメカニズムの解明は、生物学的・医学的な重要課題に位置づけられている。従来型の顕微鏡システムを用いた生体イメージング研究から、特に末梢部の血管形成機構は飛躍的に解明が進んだ。その一方、一括イメージングできる範囲が限られてきたことから、全身性の広域ネットワークがどのようにして確立されるのかは十分に理解されていない。この課題を解決するため、血管内皮細胞の核を可視化できるトランスジェニックウズラtie1:H2B-eYFP胚に対し、トランススケール顕微鏡AMATERASを用いてin totoタイムラプス観察を行い、血管形成過程における特異点の探索を試みた。胚体外領域(血島)での初期段階から約24時間にわたるタイムラプス観察によって得られた画像解析から、数万個におよぶ血管内皮細胞群の移動経路を詳細にし、さらに個々の血管内皮細胞挙動の特徴(分裂増殖頻度・位置、移動速度・方向等)を定量化した。その結果、細胞挙動の観点から特異点とみなすことが可能な発生段階および細胞群の存在が明らかになった。これまでサイズの大きい羊膜類胚の血管内皮細胞挙動は局所的にしか観察されてこなかったが、本研究によって全身レベルの広域的な細胞移動の実態解明が可能になった。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results, Open Access: 1 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Invited: 2 results)
Development
Volume: 149 Issue: 6
10.1242/dev.199999