Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
時空間トランススケールイメージングの実現には、高輝度かつ長時間観察可能な発光プローブが必要不可欠である。本研究では生物発光基質FMZとシクロデキストリンの包接に注目した。FMZは酵素NanoLucを用いることで最高水準の発光輝度を示し、細胞小器官レベルでのイメージングを可能にしたが、酸化安定性に乏しく、動物個体においては基質投与直後から非特異的な発光シグナルが観察されることが問題となっている。PEG化シクロデキストリンによる包接を利用した超分子複合化により、ケージドFMZの水溶性・安定性・血中滞留性を向上させ、動物個体の長時間イメージング技術の確立に取り組む。
生物発光を利用したイメージングは、細胞や動物体内の高感度かつ非侵襲的な観察を可能にする。中でも、高輝度を特長とする生物発光酵素Nanoluc / NanoKAZ (NLuc / KAZ)・基質フリマジン (FMZ) が注目を集める。一方、FMZの自発的な酸化分解や、速い酵素反応による発光の急激な減衰が、イメージングの感度や時間に制約をかけていた。本研究では、より長期にわたる生命現象の非侵襲的かつ一細胞レベルでの観察に向けたFMZ誘導体の開発を行い、細胞および動物モデルでの連続イメージングに応用した。2021年度に開発した基質は、C-3位に、嵩高いアシル系保護基のPivaloyl基、1-Adamantanecarbonyl (Ad) 基、また、C-6位には水酸基を導入し親水性を上げることで、細胞毒性の抑制を図っている。新規基質Ad-FMZ、Piv-FMZ-OH、Ad-FMZ-OHを合成し、細胞イメージングにおいて、Ad-FMZ-OHは細胞毒性が低く、24時間にわたって安定的なシグナルを検出できることがわかった。マウス体内での発光安定性を評価した。NLucと赤色蛍光タンパク質をハイブリッドしたReNLを安定発現させたHeLa細胞を尾静脈より導入し肝臓に蓄積させたモデルを用いた。腹腔より基質を導入し、EM-CCDカメラにて発光像を撮影した。FMZは投与後すぐに発光が減衰し、30分程度で発光が観察されなくなってしまった。それに対して、Ad-FMZ-OHは2時間程度安定に発光を観察することができ、マウスイメージングにおいても長時間のイメージングに適していることがわかった。これらの結果より、本研究で開発した新規発光基質は細胞および動物での長時間生物発光イメージングに応用できることが示された。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2023 2022 2021
All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results, Open Access: 1 results) Presentation (11 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Invited: 2 results)
Bioconjugate Chemistry
Volume: 33 Issue: 3 Pages: 496-504
10.1021/acs.bioconjchem.2c00035
BUNSEKI KAGAKU
Volume: 70 Issue: 10.11 Pages: 601-616
10.2116/bunsekikagaku.70.601
130008125739
ChemBioChem
Volume: 22 Issue: 21 Pages: 3067-3074
10.1002/cbic.202100310