Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
本研究では、高齢者のWell-beingの多面的概念化と多面的測定を行うことを目指す。核概念として高齢者にとって重要である健康と、健康面など様々な限界がありつつも幸せであるという状態や考え方として協調的幸福を含めた多面的概念化を行う。さらに、個人やその内的状態としての健康や幸福感だけでなく、個人の習慣、取り巻く人々や環境を含めて暮らし全体の中で包括的・多面的にWell-beingを捉える方法の開発を目的とする。特に、AIスピーカーを用いて日々の会話を記録し、それを各種バイオマーカーと質問紙指標と対応づけることで、多面的Well-beingの言語マーカーの発見を目指す。
本年度は高齢者の日々の生活と健康についての調査を行った。調査では、日々の出来事について日記として自由記述で記録してもらうとともに、参加者の慢性的な健康状態とともに、日記をつけている日々の運動量(歩数)及び血糖値を同時に記録する調査として行った。調査のために医学系の研究者と共同研究を行い、綿密な打ち合わせのもと、医学的に妥当な研究計画を策定し、倫理審査の承認、参加者のリクルート、日記によって自由記述及びその他のデータの記録と管理を行うアプリの開発を行った。これらの結果として、実際に調査を実施してデータを収集することができた。このデータ収集と並行して、過年度に実施したオンラインでの日記調査のデータの分析を行った。データ分析では、日々の出来事を後日思い出してもらった記述を思い出すべき日に実際に書かれた記述と比較する方法で、日々のエピソード記憶を測定した。つまり、自由記述を深層学習による自然言語処理モデルであるBERTで符号化しさらにその類似性を比較することで、記憶成績の定量的評価を行った。その結果、記憶現象としてよく知られた新近性効果を確認した。また、同じデータを用いて、各日における幸福感、その個人の幸福感という複数のレベルでの幸福感を分離したのち、それぞれが記述内容から予測できるか、どのような内容が予測するかを明らかにする分析を行った。過年度に予備的に行っていた分析を拡張・改良し、記述回答の分析範囲を拡張した上で、記述内容の深層学習技術による分析をより解釈可能な形にする改良を行った。これら技術は、本年度にデータ収集を行った健康データについても適用可能な方法である。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2023 2022 Other
All Int'l Joint Research (2 results) Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results, Open Access: 1 results) Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)
PSYCHOLOGIA
Volume: 65 Issue: 1 Pages: 100-129
10.2117/psysoc.2022-B030