Lifelong Learning Methodology for Enhancing Resilience Based on Insights from Life Histories of People with Visual and Hearing Impairments
Publicly Offered Research
Project Area | Lifelong sciences: Reconceptualization of development and aging in the super aging society |
Project/Area Number |
21H05347
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (I)
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
三浦 貴大 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (80637075)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥13,000,000 (Direct Cost: ¥10,000,000、Indirect Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 視覚障害・聴覚障害 / 高齢期 / ライフヒストリー / レジリエンス / 生涯学習 / 聴覚障害 / 視覚障害 / 先天性・後天性 / インクルーシブ性 / アクセシビリティ |
Outline of Research at the Start |
高齢化が進む日本国内において,視覚障害者・聴覚障害者の半数以上は高齢期にある.彼らの感覚体験や生活訓練状況は多岐に渡るため,共通した生涯学習スキームや支援策などを打ち出しにくい.一方で,障害状況における生涯での対処経験やニーズなどを解明できれば,高齢期になって受障した人の自立支援策などを詳細化でき,ひいては超多様性社会の進展に繋がる.そこで,本研究の目的を,先天性・後天性の視覚障害・聴覚障害のある高齢者のライフヒストリーを基に,レジリエンスを維持・向上させた要因を解明し,その時点のニーズなどを踏まえた生涯学習スキームの構築とする.
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Outline of Annual Research Achievements |
2021年度の成果は以下のようにまとめられる: 1)聴覚障害のある方へのライフヒストリー調査: まず平野(2010)に従ってレジリエンスの資質的・獲得的要因にを整理の上,インタビュー調査項目をまとめた.その上で,先天・後天性の聴覚障害のある方5名にインタビュー調査を実施した. 2) 1)の調査結果に基づくレジリエンス性を維持・向上させた要因に関する分析: 2021年度においては,3名分の分析までを行った.現在得られた結果は,レジリエンス性を維持・向上させた要因について共通点として,同じ立場の仲間からの支援,「心の安全基地」を持つこと,過去の経験の活用,自身が対応可能・困難な場面の把握,最新技術の活用が挙げられた.相違点としては,環境への働きかけ方,勤務先や当事者団体などの集団への帰属意識,聴者とのコミュニケーション方策が挙げられた.聴覚障害のある方において特筆すべき点は,聴者文化を学ぶこと,障害の受容などであった. 3) 視覚障害のあるゲーム開発者の開発体制構築:ソーシャルスキルやコンピテンスなどの観点から,関連する事例として本件を取り上げた.視覚障害のある開発者を中心としたチームによるゲーム開発の事例分析を,インクルーシブな協働方策を明らかにするために行った.結果より,共有のリアルタイム性やアクセシビリティを担保した開発環境の構築,各自のスキルや障害状況を踏まえた作業分担,伝達ミスを防ぐコミュニケーション方策が重要であると推察した. 4) 視覚障害スポーツにおける競技力ごとの感覚活用戦略:ダミーヘッドマイクロホンを用いて,ゴールボール時の発生音を収録・分析した.さらに,競技力の高い者・中程度の者で聴覚活用状況を調べ,競技力の高い者ほどボールの軌道予測などに用いる一方で,中程度の者ではボール以前のチームメイトの位置などの把握に用いる点を示し,競技力に伴う活用戦略の違いが見いだせた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の感染防止の観点から調査を行いにくい状況であった.ただし,次第にCOVID-19の感染流行が収まりつつある状況にあるため,引き続き感染防止に注意しつつも,評価検討を進める予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き以下の課題に取り組む. 1) 先天・後天性の視覚障害者・聴覚障害者へのライフヒストリー調査:これまでに聴覚障害のある方において実施してきたインタビュー調査を,視覚障害のある方においても行う. 2) 1)の調査結果に基づくレジリエンス性を維持・向上させた要因に関する分析: 聴覚障害のある方で得たインタビュー結果の書き起こしテキストにコーディングを行い,障害状況・障害発症時期・若年期/高齢期でのニーズや対処方法について各人の状況を概説する.さらに,障害状況・障害発症時期別にクラスタ分けを行い,時系列的な変化として並べる.この上で,レジリエンス性を高める要素や学習・訓練方法に関するスキーム構築を試みる.その上で,生涯学習スキームとして取り入れるべき内容を整理する.この他,視覚障害者における感覚活用戦略についても探る. また,以下の2課題においても遂行する: 3) 先天・後天性の視覚障害者への社会復帰や学び直しニーズに関する大規模アンケート調査:多くの視覚障害・聴覚障害の方に当てはまり得るのかを検討するとともに,漏れがあった事例についても収集するため,アンケート調査を実施する.その上で,レジリエンス性を維持・向上させうる要因,さらにフォーマル・インフォーマルな学習・訓練方法を再分析する. 4) 生涯学習スキームの提案とその継続的実施・効果検証:生涯学習スキームを提案の上で,視覚障害・聴覚障害のある社会人(・高齢者)を 主たる対象者とした生涯学習講座・ワークショップの開催を試みる.その上で,講座の評価に加え,新たにニーズがある項目について受講者から伺い,提案スキームの効果を検証する.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)