Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
有機ラジカル種は有機合成化学上非常に魅力的な反応性化学種でありながら、その効率的な発生にはラジカル前駆体と触媒等の開始剤を適切に組み合わせる必要があり、多彩なラジカル種の自在発生やその時空間的な制御は未だ困難な課題である。そこで本研究では動的エキシトン形成に着目した新規ラジカル種の発生法を開拓する。
本研究では動的エキシトン形成を鍵とする有機ラジカル種の新しい発生法を開拓することを目的とする。本年度はラジカル発生を利用した分子変換反応の開発を行なった。ベンジルスルホン誘導体に着目しラジカル種の発生条件を検討した結果、2量化反応が速やかに進行することを見出した。反応はフォトレドックスIr触媒とアミン共存下、青色LED照射することで進行し1,2-ジアリールエタン類が得られた。ラジカル種の発生に有効なスルホニル基上の置換基を検討したところ、3,5-ビストリフルオロメチルアリール基が特に有効であった。興味深いことに、反応溶媒にアセトン/水混合溶媒系を用いることで収率が向上した。アリール基上に様々な置換基を有するベンジルスルホン誘導体が適用可能であり、ベンジル位にメチル基を有する嵩高い基質においても2量化反応が進行することが分かった。さらにスルホンのa位の酸性度が向上する特性を活かすことで、脱プロトン化を経由した重水素やフッ素をベンジル位に導入することが可能であり、これを用いることで連続した炭素上に重水素またはフッ素を有する生成物が得られた。また本反応条件にトリエチルアミン3フッ化水素酸塩を添加すると、2量化反応が抑制され、フッ素化反応が起きることも見出した。この場合、光励起されたIr触媒がラジカル種を酸化するラジカルポーラークロスオーバーによってカチオン種が生じ、続くフッ化物イオンと反応することでフッ素化ベンジルが得られたと考えている。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021 Other
All Int'l Joint Research (2 results) Journal Article (6 results) (of which Int'l Joint Research: 6 results, Peer Reviewed: 5 results) Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Invited: 4 results) Remarks (2 results)
Journal of Synthetic Organic Chemistry, Japan
Volume: 80 Issue: 3 Pages: 222-231
10.5059/yukigoseikyokaishi.80.222
ACS Catalysis
Volume: 12 Issue: 15 Pages: 9526-9532
10.1021/acscatal.2c02233
Synlett
Volume: 34 Issue: 01 Pages: 81-85
10.1055/a-1942-5695
Volume: 12 Issue: 5 Pages: 3013-3032
10.1021/acscatal.1c05608
Chemical Science
Volume: 12 Issue: 13 Pages: 4866-4871
10.1039/d1sc00133g
The Chemical Record
Volume: 21 Issue: 12 Pages: 3978-3989
10.1002/tcr.202100210
https://nagoya-uni-cruddengroup.labby.jp/page/publication
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