Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
本研究課題では、時間分解テラヘルツ分光法による局所的な電荷移動度の測定と近赤外領域での過渡吸収分光法による計測を組み合わせることにより、有機薄膜太陽電池のエキシトンから電荷分離状態への遷移過程を実時間で観測し、比較することを目的とする。両者の分光法を組み合わせることにより、電荷分離状態の非局在化から電荷キャリアの生成過程を追跡することが可能になる。また、微視的な結晶構造や相溶性の違いがバルクヘテロ接合型太陽電池の電荷分離過程にどのような影響を与えるかを詳細に検討することができる
我々はこれまで、本研究領域の山田グループ、小堀グループと共同でジケトピロロピロール連結テトラベンゾポルフィリンとフラーレン誘導体(PCBM)との低分子系バルクヘテロ接合型(BHJ)薄膜試料について、時間分解テラヘルツ分光法、時間分解過渡吸収法により励起子や電荷分離状態、電荷キャリアのダイナミクスについて調べてきた。しかし、これまでの研究の多くはn型有機半導体として、フラーレン誘導体を用いたものが大半であり、近年注目を集めている非フラーレン系アクセプターを用いたBHJ薄膜試料に適用した研究例はない。我々は時間分解テラヘルツ分光法により、PBDB-T:ITIC、PBDB-T:Y6 BHJ薄膜試料の電荷キャリアダイナミクスを測定した。実験では励起光として、800 nmを用いることにより、アクセプター分子を励起している。観測されたスペクトルの特徴は電荷キャリアの空間的な局在性を現象論的に取り入れたドルーデ・スミスモデルで記述でき、解析の結果、電荷キャリアの散乱時間は10 fs以下であることがわかった。このことは、電荷キャリアは励起直後に後方に散乱され、局在化することを意味している。現在、測定に適した成膜条件や励起光強度依存性の測定などを検討している。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2023 2022
All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 4 results, Open Access: 1 results) Presentation (7 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Invited: 2 results)
The Journal of Physical Chemistry B
Volume: 127 Issue: 2 Pages: 542-556
10.1021/acs.jpcb.2c07466
The Journal of Chemical Physics
Volume: 158 Issue: 13 Pages: 134510-134510
10.1063/5.0139133
Langmuir
Volume: 38 Issue: 24 Pages: 7365-7382
10.1021/acs.langmuir.2c00290
ACS Physical Chemistry Au
Volume: 3 Issue: 2 Pages: 207-221
10.1021/acsphyschemau.2c00049