Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
架橋配位部位を導入したドナー分子(D)とアクセプター分子(A)を亜鉛イオン(Zn2+)によって架橋することで、D/A相互作用を複数もつ環状構造を構築する。光励起によって生成するエキシトンが環状構造内でどのような動的性をもつかを過渡吸収スペクトル、ESR等の分光法により直接観察する。申請者の先行研究成果(J. Am. Chem. Soc. 2020, 142, 18842. 論文23)を応用した戦略によりD/A相互作用の環状配列を行う。具体的にはドナー分子のイミダゾール配位部位に新規補助配位点を導入したドナー配位子を合成する。
本研究の目的はドナー・アクセプター(D/A)相互作用を環状配列した動的エキシトンを創成することである。研究当初の計画としては、研究計画①架橋配位部位を導入したドナー分子(D)とアクセプター分子(A)を亜鉛イオン(Zn2+)によって架橋することで、D/A相互作用を複数もつ環状構造を構築する。研究計画②光励起によって生成するエキシトンが環状構造内でどのような動的性をもつかを過渡吸収スペクトル、ESR等の分光法により直接観察する。上記の2項目を達成目標としていた。このうち、研究計画①のD/A相互作用を複数もつ環状構造の構築については、1H NMRによるNMR帰属を行い、溶液中にD/A相互作用が環状に配列された超分子構造が形成されていることを明らかにした。さらに、質量分析(ESI-MS)によってこのD/A環状構造をもつ超分子錯体の直接検出に成功した。一方で、研究計画②の光励起によって生成する動的エキシトンの直接観測については、領域内の共同研究を通じてピコ秒の過渡吸収スペクトルを測定した。しかしながら、予想されるD/A相互作用の電荷分離状態は現状観測されておらず、その寿命が非常に短いことがわかった。したがって、D/A環状構造をもつD/A相互作用の電荷分離状態の直接検出ではフェムト秒スケールの過渡吸収スペクトル分光法の測定が必要であることがわかった。現在、本研究成果に関する論文執筆作業を行っている。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021
All Journal Article (5 results) (of which Peer Reviewed: 5 results, Open Access: 4 results) Presentation (2 results)
Inorganic Chemistry
Volume: 61 Issue: 38 Pages: 15108-15115
10.1021/acs.inorgchem.2c02202
Chemical Science
Volume: 12 Issue: 25 Pages: 8746-8754
10.1039/d1sc01611c
The Journal of Physical Chemistry Letters
Volume: 12 Issue: 29 Pages: 6867-6874
10.1021/acs.jpclett.1c01885
Volume: 13 Issue: 18 Pages: 5261-5267
10.1039/d2sc01342h
Angewandte Chemie International Edition
Volume: 61 Issue: 5
10.1002/ange.202113914