小惑星リュウグウの二次鉱物と有機物:水質変成時の相互作用と太陽風照射の影響の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Next Generation Astrochemistry: Reconstruction of the Science Based on Fundamental Molecular Processes |
Project/Area Number |
21H05424
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (II)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野口 高明 京都大学, 理学研究科, 教授 (40222195)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | リュウグウ / はやぶさ2 / 宇宙風化 / 初期分析 / TEM / STXM-XANES / 希ガス / SIMS / TOF-SIMS / 導電体 / 有機結晶 / 小惑星 / プラズマFIB |
Outline of Research at the Start |
初年度は,TOF-SIMSで,小惑星試料の元素分布マップ,質量スペクトルの測定を可能にする条件を求める。隕石のような不導体のTOF-SIMS分析では,金蒸着した試料を用いるのが一般的である。しかし,本研究ではプラズマFIBに内蔵したTOF-SIMSを用いるため,金蒸着を行うことができない。このため,そのまま測定を行うと,試料に照射された一次イオンが帯電し,分析はできない。そこで,どのような形状の試料を作成すれば,不導体試料から,有意のTOF-SIMS分析値を得られるかを隕石を用いて検討し,次年度の小惑星試料の分析につなげていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
小惑星リュウグウ試料の初期分析国際チームのひとつである「砂の物質分析班」の班長として「砂の物質分析班」の研究では,小惑星リュウグウにおける宇宙風化を明らかにすることが最も重要な課題であった。水質変成作用によって作られた宇宙風化には2種類あり,我々がSmooth layerと名付けた構造が,太陽風照射によって形成されるかどうかを,JAXA/ISASの仲内悠祐博士,東京大学の橘省吾教授,瀧川晶准教授の協力によって,宇宙風化を受けていないリュウグウ試料を使って,JAXAの低エネルギーイオン照射装置を使って組織再現実験を行った。その結果,約1000年間の太陽風照射にあたるヘリウムイオン照射によって,Smooth layerとよく似た組織を再現することができた。この結果は,Noguchi et al. (2023)のNature Astronomy誌の論文の一部となった。この時には,太陽風照射による宇宙風化を受けたリュウグウ試料の表面に有機物が露出しているところは見つからなかった。 そこで,リュウグウ試料の国際公募分析で試料を申請し,宇宙風化している面に有機物が露出しているところを探すことを試みた。ところが,配付された試料はそもそも宇宙風化をしていなかった。第2回目の国際公募分析で,初期分析時に配布された砂状試料の分析し残りを再配布していただいた。研究分担者の松本が一部の試料に有機物が表面に露出しているところを発見した。その部位をFIBで切り出してTEM観察やC K端のSTXM-XANESを行ったが,宇宙風化を受けていない有機物と違いを見いだすことができなかった。その理由として,高分子有機物は元々が非晶質であり,太陽風照射による低エネルギーの陽子やヘリウムイオンの照射を1000年かそれ以下の期間受けた程度では検出可能な構造変化が生じなかったためではないかと今のところ考えている。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)