Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
星間化学の理解・予測に必要なイオン-分子間の高精度ポテンシャルの構築のため、広範な分子イオンや分子イオン錯体に適用可能な、汎用・高感度・広帯域・高分解能分光法を開発し、星間イオン化学の発展に寄与することを目的とする。分子イオンやイオン分子錯体のスペクトル取得を通じて、理論班へのデータ提供とポテンシャルの構築、イオン分子反応の理解や有限温度での挙動予測、さらに観測に対応する星間分子候補イオンの提示を目指す。
本研究は、星間化学の理解・予測に必要なイオン-分子間の高精度ポテンシャルの構築、および新規星間分子イオンの同定のため、広範な分子イオンや分子イオン錯体に適用可能な、汎用・高感度・広帯域・高分解能分光法を開発し、星間イオン化学の発展に寄与することを目的とするものである。2年目の研究では、昨年度に開発した、分子振動・回転運動の実時間観測に基づく新しいタイプの振動分光・回転分光を、他の系へ適用することを進め、手法の最適化を行った。同種の実験は、これまでに他のグループや、研究者自身によっても一部行われてきたが、対象となる分子系はファンデルワールス2量体に限られており、相互作用の考察を深める意味でも、多量体への拡張が求められてきた。今回、エチレン3量体について、分子動画法に基づく回転分光を達成し、既存の分光定数の改善を行うとともに、3量体以上の複雑系にも手法が拡張できることを初めて示した。また、これまでの研究では、同種分子からなる系がもっぱら扱われてきたが、星間化学の解明のためには、違った分子同士の相互作用を調べることも重要となる。そのため、異種分子からなるヘテロダイマーの実験を試行した。現在までに希ガス2量体の同位体異性体ピークの確認、エチレンーメタン系の信号同定に成功しており、今後各種の分子系に適用していく。また本研究で開発した手法は、その高感度さから、イオン種への適用が可能になると期待される。今年度、、電子イオン化とフェムト秒強光子場イオン化の2種の方法でイオンの生成実験を行い、後者についてはポンプープローブ法のスキームで回転波束の時間発展を観測した。時間発展のフーリエ変換から得られた回転スペクトルには、イオン種に帰属されるピークが弱いながら観測され、手法の有用性を示すことができた。今後、対象イオンの単離や蓄積を行うことで、効率的なスペクトル測定を可能にしていく。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2023 2022 2021 Other
All Int'l Joint Research (2 results) Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (21 results) (of which Int'l Joint Research: 14 results, Invited: 4 results) Remarks (3 results)
Physical Review A
Volume: 107 Issue: 4 Pages: 043116-043116
10.1103/physreva.107.043116
Chemical Physics Letters
Volume: 803 Pages: 139850-139850
10.1016/j.cplett.2022.139850
Physical Chemistry Chemical Physics
Volume: 24 Issue: 18 Pages: 11014-11022
10.1039/d2cp01113a
http://www.chemistry.titech.ac.jp/~ohshima/index.html
http://www.chemistry.titech.ac.jp/~ohshima/
https://researchmap.jp/70613157