Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
本研究は,複雑有機分子生成につながる新しい反応過程として最近理論的研究が進んでいる,炭素原子イオンと星間塵表面との反応に焦点を定め,高感度な反応生成物の検出法を用いて,その反応による新しい複雑有機分子生成過程を実験的に探索し,その役割を明らかにする研究である.
複雑有機分子生成につながる新しい反応過程として最近理論的研究が進んでいる炭素原子イオンと星間塵表面上の水分子や他の安定分子が関与する反応を主な対象として実験的な検証を行い,反応過程の特徴を調べることを目標とした.本年度はそのために昨年度試作したイオン源の試験を行なった.昨年度の研究経緯を省みて検討を行った結果,所持している真空容器を利用してイオン源試験用の超高真空装置を別途立ち上げることとした.イオン源試験用の超高真空装置内には,本実験用装置のイオン源部及びイオン選別系と同じ配置でイオン源が設置できるような支持具を備え,差動排気部分やイオン選別系も本実験用装置と同じ配置になるように製作して設置した.イオン源試験に十分な真空度を確保した.試験用真空装置を用いてコンパクトな電子ビームイオン源の試験を遂行した.結果として十分な炭素原子イオンビーム量を得ることは難しいと残念ながら判断をした.それに応じて,当初考慮していなかったタイプの炭素原子イオン源の可能性を検討している中,イオン分子反応を利用した分子イオン生成のためのイオン源が炭素原子イオン源としての使用可能性を有していることがわかり,まずこのイオン源の中心部となるストレージイオナイザーを製作した.また,既有のイオン源を用いて,炭素原子イオン,ホルミルラジカルイオン,メチルラジカルイオンと水アモルフォス氷やメタノール固体との予備的反応実験を行い,ホルミルラジカルイオンと水アモルフォス氷との間やメチルラジカルイオンとメタノール固体との間の試験的実験で,イオンが誘起する反応を示唆する新たな予備的な結果を得て,これらの反応を今後の詳細な実験への課題とした.
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2023 2022 2021
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results, Open Access: 1 results) Presentation (7 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results)
The Astrophysical Journal Letters
Volume: 940 Issue: 1 Pages: L2-L2
10.3847/2041-8213/ac9d30