Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
バイオロジクス認識時にB細胞を抑制型へ転換し、その抑制型B細胞との抗原依存的細胞間相互作用により、バイオロジクス特異的なCD4陽性T細胞を抑制することで、バイオロジクスに限定的に免疫寛容を誘導する手法の樹立を目指す。その為に、まず、B細胞受容体を介したバイオロジクスの認識時にB細胞を抑制型に転換する系を確立し、その抑制型B細胞が、培養系もしくは、生体ににおいて抗原依存的細胞間相互作用を介して、CD4陽性T細胞を抑制するかについて検討する。さらに、生体内における抗原認識依存的な抑制型転換が生じるか、バイオロジクスに対する寛容化を誘導するか検証する。
抗体医薬等のバイオロジクスに対する寛容誘導を実現する為、バイオロジクスを認識する抗体産生の抑制を誘導する手法の開発を試みた。これは、特定のバイオロジクスを認識するB細胞を選択的に生体内枯渇させることによって可能となると考えられる。従って、本研究では、抗原特異的B細胞を選択的に制御する手法の構築を行った。モデル抗原である卵白リゾチームHELと抗がん剤を結合させたHELカップリング剤を作製し、その有用性を検証した。HELを特異的に認識するB細胞とHELカップリング剤を共培養することで、HEL特異的B細胞に細胞死を誘導することが可能であることが明らかになった。リポソームに抗がん剤を内包し、HELを被覆したカップリング剤については、共培養において、高濃度で加えると非特異的にB細胞に取り込まれてしまうが、HELと抗がん剤を直接結合させたカップリング剤の場合、高純度に精製し用いることで、細胞死誘導の効率を上昇することが可能となった。また、このカップリング剤は、HEL特異的B細胞によって選択的に認識され、HELを認識しないB細胞には捕捉されないことが明らかになった。次に、これらカップリング剤の生体内におけるB細胞枯渇効率について検証した。これらカップリング剤をマウス生体に投与することによって、HEL特異的B細胞数を減少させる傾向が認められたものの、統計学的優位に同B細胞数を減少させるまでには至らなかった。より効率のよい枯渇活性を実現するには、カップリング剤の体内における滞留性、局在等について改善させる必要があるものと考えられる。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results, Open Access: 1 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Invited: 1 results)
Biological and Pharmaceutical Bulletin
Volume: 45 Issue: 7 Pages: 847-850
10.1248/bpb.b22-00176
Immunological reviews
Volume: 307 Issue: 1 Pages: 43-52
10.1111/imr.13053