Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
ダイヤモンドの突出した材料物性は広く知られ,特有の新機能素子実現が期待されながら,半導体材料として活用された事例が少ない.課題の一つはパワーデバイスなどトランジスタ動作で電気的性能を担う半導体/絶縁膜界面の制御が未熟であり,本来の性能を引き出せない点にある.絶縁膜界面の原子構造が原因と考えられ,この状況を打破するには界面構造を特定することが必須である.界面の超秩序構造の観測を起点として,デバイス性能を決定付ける界面構造と,2DHG層の高移動度化など素子高性能化に向けた界面制御技術の基盤を構築する.他に類を見ない非晶質/単結晶界面1~2nm程度の極薄領域における超秩序構造を制御する.
電界効果トランジスタでは一般的に非晶質酸化物がゲート絶縁膜として用いられ,ダイヤモンドでは特に原子層堆積法によって成膜した酸化アルミニウム薄膜が応用されてきた。本研究では酸化アルミニウム薄膜成膜時の原料を従来のトリメチルアルミニウム(TMA)からジメチルアルミニウムハイドライド(DMAH)に変更して複数のキャパシタ素子を作製し,平均界面欠陥密度を評価した.界面欠陥密度は、TMAでは9.06×10^12 /eVcm ,DMAHでは7.62×10^11 /eVcmとなり,DMAHを用いた場合に大幅な界面欠陥密度の減少を達成した.この界面欠陥の起源を解明するため,1~2 nmの酸化アルミニウム絶縁膜をダイヤモンド基板上に成膜し,絶縁膜の上からダイヤモンドとの界面の光電子ホログラフィを測定することに成功した.この測定から,ダイヤモンドのバルク由来の光電子ホログラフィと区別して界面由来の情報を抽出したところ,水素終端された界面にC-HだけでなくC-O結合が存在しており、C-O-Al-O-Cのブリッジ構造を形成していることが明らかになった.欠陥密度の異なる2種類の試料に対して同様の測定と分析を行い、C-Oの結合量と界面欠陥密度に相関があることが解った。従って、C-Oに起因する結合がダイヤモンドデバイスの界面欠陥起源の一つであることが示唆された。この結果は、ダイヤモンド素子の欠陥密度制御や欠陥低減手法の提案に繋がる重要な知見である。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (3 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Peer Reviewed: 3 results, Open Access: 2 results) Presentation (7 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Invited: 1 results) Remarks (1 results)
e-Journal of Surface Science and Nanotechnology
Volume: 21 Issue: 3 Pages: 183-187
10.1380/ejssnt.2023-027
Nano Letters
Volume: 23 Issue: 4 Pages: 1189-1194
10.1021/acs.nanolett.2c04176
Applied Physics Express
Volume: 15 Issue: 8 Pages: 085501-085501
10.35848/1882-0786/ac7dd9
https://newscast.jp/news/8261423