Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
重要な機能性を発現する材料の一つとして注目されているゼオライトを対象として、元素選択性あるいは電子状態選択性を持つ放射光を用いたX線異常散乱や蛍光X線ホログラフィーによる3次元原子イメージの構築、軟X線発光分光による部分電子構造、非弾性散乱による元素選択型のダイナミクスと、それを助けるデータ科学としてスパース・モデリングとベイズ推定を取り入れ、協奏的にゼオライトの基礎物性に迫る。その成果は、新しいゼオライト合成にフィードバックするとともに、その新しい機能性を提案する。特に、塩基性ゼオライトのCO2吸着の活性点を明らかにし、二酸化炭素の除去とその固定化のための機能の高度化に手がかりを見出す。
数多くの重要な機能性を発現する材料として注目されているゼオライトを対象として、その原子配列、電子状態およびダイナミクスの基礎物性を放射光を用いて観測を行った。抗菌性を持つ銀含有ゼオライトは前年度に、X線異常散乱を用いて銀のまわりに限定した原子配列の、軟X線吸収・発光分光法を用いて酸素2p部分電子構造の実験的な情報を得ていたが、本年度は密度汎関数法によって理論計算を行い、原子配列、電子構造双方に良く再現する結果が得られた。また、排ガス純化触媒として用いられている鉄あるいは銅を含むゼオライトについて同様の実験を行い、鉄あるいは銅のまわりの部分原子配列や酸素2pあるいは鉄あるいは銅3d部分電子構造を求めた。さらにこれらの金属元素を含むゼオライトの原子振動についてX線非弾性散乱測定を行い、これらの金属原子がクラスターを形成している兆候を見出した。今後は密度汎関数理論計算を行うことにより、実験的に得られた物性を理論的にサポートするとともに、ゼオライトの機能発現のメカニズムを明らかにし、機能の高度化に貢献したい。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://www.sci.kumamoto-u.ac.jp/physics/SR/index.html