Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
近年、強誘電性半導体はその非対称なバンド構造と、分極電荷によりそれらを不揮発に変調できることから注目されている。強誘電性半導体への遷移金属元素ドーピングは、新たな機能性を有する超秩序構造を形成する。本研究では強誘電性半導体BiFeO3(BFO)の電気伝導性と光起電力効果という半導体物性に着目し、BFOへ遷移金属元素(TM)をドープすることで形成されるTMO5超秩序構造をを原子分解能ホログラフィにより直接観察する。また極めてチャレンジングな電場印加および光照射下におけるその場観察を試み、それらの機能性を解明する。これによりドーパント誘起超秩序構造による電気伝導性制御と光起電力効果の向上を目指す。
「強誘電性半導体MnドープBiFeO3薄膜における電場下の原子変位解明」近年強誘電体を半導体として用いる強誘電性半導体物性が注目されている。これは強誘電体が有する自発分極による自身のキャリア制御、非中心対称性結晶構造に起因するキャリアのバンド間遷移の異方性による新規スイッチングデバイスや新メカニズム太陽電池の創出が可能である。その際、電場下の原子構造解明が重要となるが、これまで明らかにされていない。そこで電場印加下における蛍光X線ホログラフィーを用いた原子構造解析を実施した。MnドープBiFeO3単結晶薄膜において、電場下におけるFeを中心としたBi原子像を得ることに成功した。これによれば、電場下においてFe原子に比べてBi原子の方が大きく変位していることが示唆された。この結果は現在論文投稿準備中である。本研究は計画班A02小原Gとの連携研究である。「VドープBiFeO3単結晶薄膜の局所原子構造解析」近年注目されている強誘電性半導体はドーパントの振る舞いが複雑であることが知られている。強誘電体BiFeO3へのMnドープはMnO5超秩序構造を形成することが示唆されている。しかしながら、VやCrといった特定の元素ではこれが形成されないことが示唆されている。そこでVドープBFeO3薄膜における局所原子構造を蛍光X線ホログラフィーにより観察し、MnドープBiFeO3薄膜の局所原子構造との比較を行った。その結果、これらは異なる原子像強度分布が確認され、明らかに異なる欠陥構造があることが確認できた。この結果はJpn. J. Appl. Phys,へ投稿準備中である。本研究は計画班A02小原Gとの連携研究である。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2023 2022 2021
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (12 results) (of which Int'l Joint Research: 4 results, Invited: 3 results)
Japanese Journal of Applied Physics
Volume: 61 Issue: SN Pages: SN1004-SN1004
10.35848/1347-4065/ac7eaa