Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
ミクログリアと脳実質との境界に存在するマクロファージはともに卵黄嚢で誕生する。これら細胞の運命づけは卵黄嚢に存在する時点でなされると認識されているが、提案者による予備実験において、両者は胎生早期の時点ではまだ可塑性を有し、互いに変容する可能性が示唆された。「二光子顕微鏡による生体内観察システム」の技術開発を通じて、ミクログリアの侵入・分布経路の実態と分子機構を明らかにし、ミクログリア多様性の誕生との連関について解明する。
本年度は、昨年度に引き続いて、マウス胎生期大脳におけるミクログリアおよびマクロファージの細胞動態についての研究を推進した。特に、胎生早期にミクログリアが脳に定着する際の分布ルートの同定やそのメカニズムの解析を行った。ミクログリアおよび脳境界関連マクロファージはともに卵黄嚢由来であるが、いつ・どこでそれぞれの細胞に運命づけられるのかはこれまでよく分かっていなかった。我々は、脳スライス培養下ライブイメージングや二光子顕微鏡を用いた胎仔脳in vivoイメージングシステム、フェイトマッピング、細胞追跡調査等を組み合わせた解析を通じて、脳室内腔に分布するマクロファージが胎生12日目において大脳原基に侵入し、侵入したマクロファージが周囲の環境に呼応してミクログリアへと分化することを明らかにした。すなわち、大脳に存在するミクログリアの一部は脳室内腔マクロファージに由来することが分かった。これは、胎生10~11日目頃にミクログリアとしてすでに大脳原基に分布している集団とは別に、それより後の段階で外部から大脳原基に侵入したマクロファージに由来するミクログリアが存在することを意味し、ヘテロな細胞集団であることが明らかとなった。本研究成果は、2023年2月にCell Reports誌に掲載され、editor's pickとしても取り上げられた。現在は、上述の研究結果に基づき、「なぜ胎生12日目でマクロファージの大脳原基への侵入が起こるのか」の解明を目指し、様々な要因の可能性を考え、それぞれに対する検証を行っている。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2023 2022 2021 Other
All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (6 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Peer Reviewed: 6 results, Open Access: 6 results) Presentation (17 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Invited: 7 results) Book (4 results) Remarks (5 results)
Cell Rep
Volume: 42 Issue: 2 Pages: 112092-112092
10.1016/j.celrep.2023.112092
Neuroscience Research
Volume: 187 Pages: 58-66
10.1016/j.neures.2022.09.006
Life
Volume: 12 Issue: 11 Pages: 1835-1835
10.3390/life12111835
Sci Adv
Volume: - Issue: 21
10.1126/sciadv.abm5029
The Journal of Neuroscience
Volume: 42 Issue: 3 Pages: 362-376
10.1523/jneurosci.1201-21.2021
Anat Sdi Int
Volume: 97 Issue: 1 Pages: 1-14
10.1007/s12565-021-00631-w
https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result/2023/02/post-455.html
https://www.eurekalert.org/news-releases/985758
https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result-en/2023/04/20230413-01.html
https://www.med.nagoya-u.ac.jp/medical_J/research/pdf/Jou_Neu_211124.pdf
https://www.anatomy.or.jp/hiroba/award202004-4/