Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
アルツハイマー病(AD)では、大脳側頭葉を中心に特徴的なアミロイドなどの凝集体が出現するが、その発達にはミクログリアの関与が示唆されている。本研究では、AD患者のミクログリア病理像を模倣した新規モデルマウスを開発し、ミクログリアの機能破綻を端緒としたAD病態を時空間的に解析する。この目的のため、孤発性AD患者で頻度が高いAPOE ε4多型を持つヒトiPSCをゲノム編集技術で作製し、ミクログリアへ分化誘導する。APOE ε4多型を持つヒトミクログリアをマウスの脳へ異種移植することで、ヒトミクログリアを有するキメラマウスを作出し、孤発性AD発症・進行に係るApoE4の病態分子基盤を明らかにする。
本計画では、孤発性アルツハイマー病(AD)発症 に寄与するAPOE遺伝子のε4型(APOE4)のヒトミクログリアにおける病態生理学的機能を解明する。2021年度までに、APOE 3/3多型を持つ健常人由来iPS細胞から、CRISPR/Cas9のゲノム編集によって、APOE 4/4のisogenic iPS細胞を作出していた。2022年度は、ゲノム編集によって、アルツハイマー病発症に対して保護的な作用をするAPOE Christchurchバリアントを導入したisogenic iPS細胞も作製した。次に、ヒトiPS細胞に複数のサイトカイン・低分子化合物を処理すると同時に、ミクログリア発生に重要な転写因子PU.1をTet-on系を用いて発現誘導することで、ミクログリア様細胞(iMGL)を分化誘導するプロトコールを確立した。その成果を査読付き国際誌へ出版した(Sonn et al. 2022 Inflamm Regen)。APOE 4/4 iPS細胞については、PU.1 Tet-on系で使用するプラスミドを導入後、複数クローンの選択を終了し、上記プロトコールでiMGLへ分化誘導した。iMGLを脳内に持つキメラマウスの開発では、移植の予備検討を行った。まずAPOE 3/3 iMGLを経鼻移植法で野生型マウスの脳へ移植し、2週間後にiMGLの定着を検討したところ、海馬・小脳・線条体にてヒト抗原であるSTEM121を発現するiMGLが観察された。理化学研究所バイオリソース研究センターとの契約を締結し、進行性にAβプラークを形成するAPP (NL-G-F)マウスの導入を行い、APPマウスコロニーが出来た。このモデルマウスでは、4ヶ月でアミロイドプラークが形成されることをAmylo-Glo試薬を用いて確認できた。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021
All Journal Article (4 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Peer Reviewed: 3 results, Open Access: 3 results) Presentation (4 results) (of which Invited: 2 results) Patent(Industrial Property Rights) (2 results) (of which Overseas: 2 results)
Inflammation and Regeneration
Volume: (in press) Issue: 1 Pages: 1-1
10.1186/s41232-022-00201-1
生体の科学
Volume: 73 Pages: 492-493
STAR Protocols
Volume: 2 Issue: 3 Pages: 100654-100654
10.1016/j.xpro.2021.100654
Methods in molecular biology
Volume: - Pages: 1-9
10.1007/7651_2021_407