感覚情報を伝達するグリア細胞のデコーディング
Publicly Offered Research
Project Area | Glia decoding: deciphering information critical for brain-body interactions |
Project/Area Number |
21H05642
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (III)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
宮下 知之 公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳・神経科学研究分野, 主席研究員 (70270668)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥7,800,000 (Direct Cost: ¥6,000,000、Indirect Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
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Keywords | ショウジョウバエ / Ensheathing glia / グルタミン酸 / エクソサイトーシス / NMDA receptor / Mg2+ block / グリア細胞 / 匂い嫌悪学習 / 匂い嫌悪条件付け / NMDA受容体 / 連合学習 / Ensheathing Glia / vGluT / exocytosis / drosophila / 嫌悪情報 |
Outline of Research at the Start |
我々は最近、ショウジョウバエで記憶中枢を囲むグリア細胞(Ensheathing Glia(EnG))に小胞性グルタミン酸輸送体(vGluT)が発現し、匂い嫌悪学習で用いる電気ショックに合わせてEnGがグルタミン酸(Glu)を記憶中枢であるキノコ体(MB)に放出している事、グリア細胞が記憶中枢に嫌悪情報を伝達している事を見出した。そこで、本研究は、①侵害刺激の情報がEnGに至る経路、②EnGから放出したGluはMBにどのように入力し、匂いの情報とどのように連合するのか?さらに、③これまで嫌悪情報を伝達するとされてきたDA作動性神経細胞との関わりを明らかにすることを目的に研究を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
「感覚情報を伝達するグリア細胞のデコーディング 」ショウジョウバエの匂い嫌悪学習では条件刺激(CS)の匂い情報と、無条件刺激(US)の電気ショック情報が記憶中枢キノコ体で連合する。我々は、新規のグルタミン酸(Glu)小胞輸送体、DVGLUT2が、ショウジョウバエのグリア細胞の一種であるEnsheathing Glia(EG) に特異的に発現し、US呈示に応じてEGがMBにGluを開口放出してUS情報を伝達していることを見いだした。キノコ体にはNMDA受容体(NR)が発現しているが、USのみ の呈示ではキノコ体の細胞内のCa2+上昇は見られなかった。CSとの同時呈示で、NRのMg2+ blockが外れることでCa2+が流入し、CSにUSが提示され、連合できるこ とが示唆された。さらに、これまでUSの情報を伝達していると考えられてきたドーパミンの放出は、EGから放出したグルタミン酸をドーパミン作動性神経に発現するKainate receptorが受容して起きていた。本研究によりこれまで、神経細胞を支えるだけと考えられてきたグリア細胞が、グルタミン酸をエクソサイトーシ スすることで、嫌悪の情報を記憶中枢に伝達するという、新たなグリア細胞の機能を明らかにすることができたと考えている。さらにドーパミン作動性神経に発現するKainate receptorすることで、電気ショックのみのドーパミン放出を止めると、条件付けの成立しない逆行条件付けが成立することを見出し、ドーパミンが条件付けの成立にも重要だが、条件付けを成立させない事にも重要な役割を持っている事を示唆する結果を得ることができた。これらの結果をまとめて Miyashita et al, Science 2023で発表した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)