窒素栄養欠乏に応答した植物ステージゲート制御機構の全容解明
Publicly Offered Research
Project Area | Multi-layered regulatory system of plant resilience under fluctuating environment |
Project/Area Number |
21H05644
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (III)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 長緒 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (50609724)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥9,360,000 (Direct Cost: ¥7,200,000、Indirect Cost: ¥2,160,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | 窒素 / 花成 / 代謝 / 環境応答 / リン酸化 |
Outline of Research at the Start |
窒素栄養は,植物の代謝における重要度が非常に高く,バイオマスや種子収量に大きな影響を与える。そのため植物は,窒素源の獲得状況に応じて,土壌からの取込みや細胞内代謝を柔軟に変化させながら自身の成長を最適化している。さらに,より継続的で厳しい栄養欠乏と判断した場合は,成長相の転換により個体レベルでの応答を誘導する。しかし,栄養欠乏度合いや期間に応じて,代謝適応から成長相転換へと応答段階を移行する分子機構については不明な点が多い。本研究では,これまで申請者らが同定した窒素応答性花成制御因子の機能に着目し,植物の窒素応答性ステージゲート制御機構の全容解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,植物が異なる時間スケールの栄養欠乏ストレスに対して誘導する応答について,その制御機構の解明を目指している。最近申請者らは,栄養素の中でも特に重要な窒素に着目し,窒素応答性花成制御を担う鍵因子として転写因子FBH4および上流キナーゼSnRK1を同定し,長年謎であった窒素欠乏による花成早期化の分子機構の一端を明らかにした。本研究では,こうした鍵因子の機能に着目し,植物が細胞内における短期的な栄養欠乏応答から長期的・個体レベルでの応答段階へと移行する際の分子スイッチ機構について解明を目指す。主に,下記3研究課題に関する詳細な解析を効率的に実施する。 研究課題 1)短期的および長期的な窒素欠乏に応じたFBH4機能変換機構の解析 研究課題 2) 窒素応答性成長相転換を誘導する上流シグナル機構の解析 研究課題 3)成長相転換制御における光周期シグナルと窒素シグナル統合機構の解析 当該年度は,RNA-seq等のグローバルな遺伝子発現変動解析および一過的レポーターアッセイ等の解析から,転写因子FBH4標的遺伝子について情報を得た。また,IP-MS解析を実施,FBH4相互作用因子候補を得た。これらについて,窒素欠乏条件に応じたより詳しい解析を実施する予定である。加えて,上流キナーゼSnRK1の活性変動を詳しく解析する実験系を構築した。また,日周に応じた窒素欠乏応答遺伝子発現解析から,光周期シグナルと窒素シグナルのクロストークに関する知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題を構成する各実験課題に関して,いずれも進捗が見られた。 特に,窒素欠乏条件においてFBH4が制御する遺伝子について,グローバルな視点および個別の定量的解析で重要な知見が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで得られた研究成果をもとに,より詳しい解析を進めていく。短期的および長期的な窒素欠乏に応じたFBH4標的遺伝子の変動やその制御に関わる翻訳後修飾機構について詳しく解析する。また,その上流で窒素欠乏を感受する機構についてSnRK1活性に注目し,解明する。光周期シグナルと窒素シグナルのクロストークについても,その生理的意義について理解を深める。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)
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[Journal Article] The TGN/EE SNARE protein SYP61 and the ubiquitin ligase ATL31 cooperatively regulate plant responses to carbon/nitrogen conditions in Arabidopsis2022
Author(s)
Yoko Hasegawa, Thais Huarancca Reyes, Tomohiro Uemura, Anirban Baral, Akari Fujimaki, Yongming Luo, Yoshie Morita, Yasushi Saeki, Shugo Maekawa, Shigetaka Yasuda, Koki Mukuta, Yoichiro Fukao, Keiji Tanaka, Akihiko Nakano, Junpei Takagi, Rishikesh P Bhalerao, Junji Yamaguchi, Takeo Sato
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Journal Title
THE PLANT CELL
Volume: 34
Issue: 4
Pages: 1354-1374
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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