Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
植物を取り巻く栄養環境は空間的に連続的な変化をしているはずで、植物はそのような勾配のある環境に適切に応答するための様々な機能を獲得してきたはずである。栄養屈性は不均一な栄養分布の土壌で根が効率よく栄養を探し当てるために重要な能力であると考えられる。本研究提案では先行研究において同定した栄養屈性において真逆に関与する2つの栄養屈性制御遺伝子OsNAT (アンモニウム輸送体)及びOsENR1(機能未知)の機能解析を通じて、植物根がどのように栄養勾配の感知と伸長方向の変化を行うのか、その分子機構の解明を目指す。
本研究では主に栄養屈性に関与するOsNAT (Nutritropic ammonium transporter)の機能解析を通じて、イネの根がどのように栄養濃度勾配の感知と伸長方向の変化を行っているのか、その分子機構の解明を目指した。GUSレポーター系によりOsNATのプロモーター活性を調べると、主根及び側根の根端において静止中心の下部に位置するコルメラ根冠に染色が観察されることをこれまで明らかにしてきたが、一本の主根から生じる側根における発現を、古い側根から新しく生じたものまで詳細に調べることで、側根が生じ始めるところですでにOsNATはコルメラで発現し、長く伸びて古くなった根では発現がほとんど見られなくなることが分かった。また、栄養屈性と重力屈性との関連を調査した。栄養屈性により重力方向に逆ってでも根は栄養源に集まるが、重力屈性の度合いを物理的に低下させる実験環境では栄養屈性の度合いが向上する知見を得た。このことは、栄養屈性は栄養屈性刺激があったとしても重力屈性と干渉しあいながら栄養源に応答して屈曲していることを示す。本年度は論文投稿にも注力した。名古屋大学 中園グループ・国立遺伝学研究所との共同研究で昨年度明らかにした、植物ホルモンであるオーキシン・ジベレリン・エチレンのシグナル伝達が栄養屈性には必要もしくは重要であることを論文にまとめた。さらに、主根で栄養屈性を示すWRC25品種のEMS変異原処理集団を作成する過程において、種子胚細胞に導入されたEMS変異が、そこから生じた異なる分げつごとに独立に遺伝すること=独立な変異体が得られることを明らかにし論文にまとめた。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2024 2023 2022
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results, Open Access: 2 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)
Plant And Cell Physiology
Volume: 00 Issue: 4 Pages: 0-0
10.1093/pcp/pcae003
The Plant Journal
Volume: 116 Issue: 2 Pages: 597-603
10.1111/tpj.16390