Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
海外や本邦においてヒトの精神疾患、特に難治性うつ病においてrTMSが治療法として用いられるようになっているが、その作用機序は不明のままである。本研究ではDBSを用いてさまざまな刺激方法でPFCを特異的に刺激し、PFC局所回路を電気生理を用いて錐体細胞、PVおよびSSTのダイナミックを検証する。また、これらのデータを基に、PFC局所回路に潜在する神経活動パターンを抽出する機械学習法を開発するなどの多面的な検証を目指す。TMSとファイバーフォトメトリーを組み合わせることで、刺激方法(低頻度もしくは高頻度)によって錐体細胞、PVやSSTへの影響や社会性行動への影響を明らかにする。
幼若期隔離マウス(jSI)、社会敗北ストレスマウス(SD)、拘束ストレスマウス(RS)を用いて各種行動実験を行った。SDとRSで吊り下げ試験で無動時間の増加を認め、前頭前野を標的とした深部脳刺激(DBS)にて、これらの改善を認めた。次に、jSIとSDで3chamber taskによる社会性行動の低下を認め、DBSにてこれらの改善を認めた。jSI、SDおよびRSにてオープンフィールドと高架式十字迷路を行い、活動量と不安行動に異常を認めたが、DBSにてこれらの改善は認めなかった。複数匹同時解析を可能とするAR-LABOにおいても同様に行っているが、解析を行っている段階であり、引き続き解析を継続する。少なくともDBSを用いたニューロモデュレーションにより社会性行動などを改善する効果が証明された。DBSによる興奮性シナプス後電流(sEPSC)と抑制性シナプス後電流(sIPSC)の影響を錐体細胞、パルバルブミン(PV)およびソマトスタチン(SST)陽性インターニューロンで解析をした。錐体細胞ではsEPSCの頻度に影響はなく、sIPSCの頻度が増加し、PVインターニューロンではsEPSCの頻度が増加し、sIPSCの頻度が低下し、SSTインターニューロンではいずれの影響もみられなかった。これらから、PVインターニューロンでは活動性が増加していることが予想される。精神疾患ではPVインターニューロンの機能異常が認められており、DBSによるニューロモデュレーションによって改善する可能性が示唆された。sIPSCの波形からPVあるいはSST由来の入力を判別する機械学習を行っている。現在、インターニューロンの発火タイミングの予測を可能しており、今後はPVおよびSSTインターニューロンの両者を含めた上で発火タイミングの予測を行うこととしている。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021
All Presentation (10 results)