Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
精子形成時のクロマチン凝集や核の形態変化に、アクロソームや核膜孔の変化が重要か解析するため[1]GOMED-1欠損精子におけるクロマチンの物性や核内局在分子の解析を行う。[2]アクロソームが、クロマチン凝縮や核の形態を制御するメカニズムを明らかにする。[3]核膜孔によるクロマチン凝縮の制御機構を明らかにする。加えて、[4]タンパク質分解機構GOMEDが精子形成に関わる役割を明らかにする。
ゴルジ体は小胞体から輸送されたタンパク質に、糖鎖修飾やリン酸化修飾などを加え、細胞外や細胞膜、リソソームへと輸送する。我々は、この過程が滞ると、ゴルジ体を用いた分解、GOMED機構 (Golgi Membrane Associated Degradation)が起きることを発見した。このGOMED機構は、酵母から哺乳動物まで保存された機構であり、ゴルジ体を経由したタンパク質がゴルジ体において滞留したときに機能する。このとき、1. トランスゴルジの膜が大きく変形する、2. 分解するタンパク顆粒やミトコンドリアを包み込む、3. ライソソームと融合して分解する、という過程を経る。我々はすでにGOMEDに必要な分子を同定しており、そのノックアウトマウスは胎生致死や神経変性疾患、腸炎など重篤な表現型を示すことを見出している。今回、このGOMEDに関与するタンパク質のうち、GOMED-1を欠損させたマウスは雄性不妊となることを見出した。この欠損マウスの出生割合は予測される25%を下回る7%以下であり、産仔数も非常に少ない。そこで、精巣及び精巣上体の微細構造解析を行った。その結果(1) ゴルジ体から形成されるアクロソーム形成の初期には異常がみられないこと、(2)アクロソームが変形し精子の核を取り囲む過程において、異常が見られること、(3)精子の核膜孔の分布に異常が見られること、(4) 核のクロマチン濃縮の遅滞することが判明した。これらの解析結果から、GOMED-1欠損マウスの精子形成においては、アクロソームの分化異常と共に、核膜の形態変化やクロマチンの濃縮過程に異常が生じることが判明した。また、新たに精巣特異的GOMED-1欠損マウスを作製した。現在、その解析中であるが、GOMED-1欠損マウスと表現型の違いを見出しており、このマウスについても解析を進めている。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Journal Article (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 2 results, Open Access: 2 results) Presentation (8 results) (of which Invited: 2 results)
Scientific Reports
Volume: 12 Issue: 1 Pages: 22452-22452
10.1038/s41598-022-26430-5
Biochemical and Biophysical Research Communications.
Volume: 592 Pages: 74-80
10.1016/j.bbrc.2021.12.111