Exploring the molecular mechanism of cell cycle-mediated solid–liquid phase transition of chloroplast nucleoids
Publicly Offered Research
Project Area | Genome modality: understanding physical properties of the genome |
Project/Area Number |
21H05748
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (III)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西村 芳樹 京都大学, 理学研究科, 助教 (70444099)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥13,000,000 (Direct Cost: ¥10,000,000、Indirect Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 葉緑体核様体 / 相転移 / 葉緑体DNA / DNA supercoil / DNA ligase / 核様体 / DNA超らせん / 細胞周期 |
Outline of Research at the Start |
葉緑体核様体は、通常は「固体」の球状構造をとるが、葉緑体分裂に先立って「液体」に変化して葉緑体全体に均等に拡散し、葉緑体分裂完了後、ふたたび「固体」に戻る。本研究では、葉緑体核様体の形態・分裂異常を示すHolliday junction 解離酵素の欠損株や、葉緑体型のDNA ligaseやSMCの解析を糸口とし、その細胞周期による制御機構を明らかにすることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
葉緑体にも「染色体」がある。それは葉緑体独自のゲノム(chloroplast (cp) DNA) と多様なタンパク質群の複合体であり「葉緑体核様体」とよばれる。葉緑体核様体は、細胞周期、光や栄養などの環境に応じてその形態を柔軟に変化させながら、cpDNA複製・修復、遺伝子発現、遺伝などで様々な役割を果たしている。葉緑体核様体は、間期には膜にアンカーされた球状構造として存在するが、細胞(葉緑体)分裂に先立って、その流動性を上昇させて葉緑体全体に拡散し、分裂完了後には再び球状構造へと再構成される。そうした流動性変化の生物学的意義や分子機構は謎につつまれてきた。我々は、葉緑体核様体の形態異常変異体(葉緑体型Holliday junction resolvase、DNA ligaseなどの欠損株)の解析、さらにDNA supercoil構造の可視化技術の開発を通し、細胞周期と同調した流動性制御が、葉緑体核様体の遺伝の保障に重要であり、その分子機構が葉緑体DNA supercoilの制御に基づくことを数理モデル解析およびライブイメージング解析により示すことを目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
これまでに我々は、葉緑体DNAの「はさみ」としてHolliday junction resolvase、「のり」としてDNA ligaseを同定し、これら二つの遺伝子が協調的に発現してDNA supercoilを制御し、葉緑体核様体の流動性をコントロールしている可能性を示してきた。今回さらに、葉緑体DNAのsupercoilを直接可視化する手法の開発をめざし、DNA supercoil結合性タンパク質を蛍光タンパク質との融合させて葉緑体で発現させることで、葉緑体DNA supercoil構造を生きた細胞で可視化する系の確立に世界で初めて挑戦し、そのシグナルが葉緑体核様体の分裂に先立って消失すること、DNA ligase変異体では著しく弱くなることを明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
葉緑体DNA supercoilマーカーを基盤としたライブイメージング観察をより詳細におこない、葉緑体核様体の分裂におけるDNA supercoilの状態を明らかにする。さらにDNA supercoil制御を基盤とした流動性コントロールによる葉緑体核様体の均等分配モデルについての数理学的解析を試みる。① 葉緑体核様体の相転移による拡散が葉緑体分裂にともなう葉緑体核様体の均等分配に寄与する可能性について、中央限定モデルに基づいた検証をおこなう。②Twist stress導入によるSupercoil形成とSSB導入によるSupercoil崩壊が葉緑体核様体の形態に与える影響についてバネで結合された二重らせん高分子モデルをもちいた数理解析によって検証する。現在までに、Supercoil形成によって粒子濃度が高まること、さらにSupercoilの形成と崩壊過程は Linking number = Twist + Writhe という関係性において異なることが示されており、さらに詳細な解析によって葉緑体核様体の相転移を数理モデルから理解していく。
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Report
(1 results)
Research Products
(11 results)