Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
真骨魚には、棘条と軟条という2種類の骨がヒレに存在するが、ゼブラフィッシュもメダカも軟条しか持たないため、棘条の形成メカニズムはほとんどわかっていない。本研究ではレインボーフィッシュという棘条と軟条の両方を背ビレにもつ魚種をモデル系として用い、同じ骨組織でありながら全く異なる構造を持つ2種類の骨が作られる仕組みを解明する。これにより、構造形態の多様性が生み出される仕組みとは何かという命題を明らかにする。
本年度は、当研究課題の課題3に掲げた「骨形成細胞の由来の同定と機能解析」と課題4「周辺組織の可視化および機能変更実験と棘条と軟条の形成への作用解明」について、レインボーフィッシュにおける棘条骨形成時に表れる周辺間充織細胞の細胞種、由来、機能について解析を行った。この間充織細胞が棘条形成領域先端部に集積する前骨芽細胞であることを複数のマーカー分子の発現から同定し、また、軟条がアクチノトリキア細胞外基質を用いるのに対して棘条先端部の前骨芽細胞はアクチノトリキアを用いていない可能性について解析を進めた。アクチノトリキア構成分子であるand1/2の遺伝子をKOすると軟条形成が阻害され軟条の形態が正常に形成されない表現型を呈する。これに対し、同様のKOは、棘条の形態に異常をきたさないことが判明し、棘条形成にアクチノトリキアを用いていないことが明らかとなった。さらに、この間充織細胞の形態形成に骨形成因子であるBMPが寄与することを、その阻害実験によって明らかにした。このように、軟条と棘条の形態形成過程の比較により、骨組織を構築する細胞の性質と骨形成の過程が両者でまったく異なることを示した。また、今年度は軟条・棘条形成における基底膜の組成と分布を明らかにし、基底膜も棘条形成に寄与する可能性を示した。本年度は最終年度であるため、交付申請書に記載した課題を完遂するとともに、研究成果を取りまとめて発表を行った。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2024 2023 2022
All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 4 results, Open Access: 4 results) Presentation (3 results)
Developmental Dynamics
Volume: - Issue: 9 Pages: 829-845
10.1002/dvdy.699
Volume: - Issue: 9 Pages: 1-14
10.1002/dvdy.698
Development, Growth & Differentiation
Volume: 66 Issue: 3 Pages: 235-247
10.1111/dgd.12918
Zoological Letters
Volume: 8 Issue: 1 Pages: 13-13
10.1186/s40851-022-00198-y