Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
本研究の目的は非細胞素材を操作する細胞の形態力学モデルを構成し、シミュレーションによる細胞の振舞の再現を通して、どのような力学作用が素材を操作し、それはどのような発生現象と対応するか解析することにある。力学モデルを構成することで、細胞運動を、弾性力や接着力など素性の良い少数個の力学因子へ分解して理解し、分子の働きとの間をロジックでつなげる。特に、ゼブラフィッシュやカイメンで観察される『針状素材』に焦点を当て、細胞または細胞集団がこの素材をどのようにハンドリングし、運び、整列させるか、力学的理解を目指す。
魚のヒレ骨の発生において、コラーゲンからなる細胞外針状素材(アクチノトリキア)を把持・整列させる間葉系細胞の力学モデルを構築し、シミュレーションを行った。細胞の形態をポリゴン膜で表現したモデルシステムを採用し、剛体棒であるアクチノトリキア細胞に相互作用を定めるポテンシャルエネルギーを導入して、モンテカルロシミュレーターを構築した。この膜シミュレーターを用いて、どのような物理条件において細胞が針状素材を制御しうるか系統的に調査した。結果、細胞が基質および針に接着する力が重要で、その力の比が適切な範囲にあるとき、細胞は複数の針を整列させることを示した。また、膜と針とが均質に接着するモデルに比べ、膜上に針との接着を媒介する分子の分布を導入したモデルは、よりロバストな振舞を示し、広いパラメタ範囲や物理条件で針状素材を整列させることを示した。特に、In Vitroでの細胞とアクチノトリキアの動態を再現するためには、分子分布を導入したモデルが適切であることが分かった。さらに、実際の細胞における力学との比較法の検討を行った。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021
All Presentation (5 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Invited: 5 results)