Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
顔の色や質感は、年齢、健康状態、印象、審美性など、人間にとって重要な判断に大きく関わる。本研究では、顔特有の色・質感認識のメカニズムを、環境的要因(各人種の肌色分布に応じた知覚特性)、社会的要因(情動認識に有利な知覚特性)、文化的要因(化粧や嗜好性等の影響)の観点から検証する。複数の国で顔の色・質感認識特性を心理物理実験により計測し、印象評価やアンケート調査、顔の色や表面の物理計測結果等と合わせて国際比較する。本研究により、顔の色・質感認識特性に対する環境・社会・文化的影響が明らかになれば、顔の色・質感認識メカニズムの解明のみならず、グローバルコミュニケーションや産業界への貢献が期待できる。
本研究では、1.顔の色が顔の明るさ認識に与える影響、2.顔色が情動認識に与える影響、3. 顔の質感が顔印象に与える影響の3課題について国際比較することにより、顔の色・質感に対する環境・社会・文化的影響を検証し、顔の色・質感認識メカニズム解明に向けた基盤とすることを目的としている。顔の明るさに対する色相の影響の異文化比較に関しては、引き続き異なる顔色の顔画像に対して明るさの知覚と色相の関係を検証した。その結果、日本人被験者でも判断基準の違いにより色相の影響が異なること、明るさの判断は刺激の顔画像の特性にも影響を受けることが示唆された。一方、印象評価の結果を日本人とタイ人で比較したところ、両国の被験者ともに赤みの肌の顔の方が黄みの肌よりも明るいと評価した。したがって、マッチング実験と印象評価の判断基準の違いにより評価が異なることが示唆された。顔全体の印象に基づく判断においては、国際的に共通の見え方となると考えられる。ヘモグロビンによる顔の明度低下を補正して知覚する特性についても引き続き検討と考察を進めた。顔色が情動認識に与える影響の異文化比較に関しては、日本とタイで情動認識を調べた。顔色をメラニン、へモグロビン増減方向に変化させて評価した結果、顔色の赤み増加は怒りの表情認識を促進、明度増加が幸せの表情認識を促進する結果を得た。顔色が表情認識に与える影響は日本人の方が大きい傾向が見られた。顔の質感が顔印象に与える影響については、異なる顔色の顔画像および肌にノイズを加えた顔画像に対して色素斑の目立ちを検証した。色素斑の目立ちは、概ね顔色と色素班の色差と対応しているが、ノイズを付加すると目立ちが減少することが示された。その他、色覚多様性を考慮した顔色変化の弁別実験、Web会議環境における顔の見えに対する照明の分光強度分布特性の影響の検証等も進めた。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Vision Research
Volume: 196 Pages: 108048-108048
10.1016/j.visres.2022.108048
Journal of Printing Science and Technology
Volume: 58 Issue: 6 Pages: 308-312
10.11413/nig.58.308
130008141652
Cosmetic stage
Volume: 15 Pages: 18-23