光線場の計測と投影による現実を超える質感への操作
Publicly Offered Research
Project Area | Analysis and synthesis of deep SHITSUKAN information in the real world |
Project/Area Number |
21H05825
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (IV)
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
天野 敏之 和歌山大学, システム工学部, 教授 (60324472)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥7,540,000 (Direct Cost: ¥5,800,000、Indirect Cost: ¥1,740,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
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Keywords | 深奥質感 / ライトフィールド / 空間型拡張現実感 / 光学フィードバック / 質感 / 光線場 |
Outline of Research at the Start |
本研究では質感を持たない中性的な無質感を定義し,質感を持つ物体との無質感との光線場の偏差より質感をもたらす深奥質感の抽出を試みる.また,様々な質感の深奥質感を形成する構成要素を明らかにする. この成果に基づき,本研究では複数のカメラと複数のプロジェクタを用いた光線場補償フィードバック系を構築し,無質感化した操作対象の外観を本来の質感と一致させる光線場操作を実現する.これを質感を有する物体に適用することで,現実を超える質感の創出を試みる.
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Outline of Annual Research Achievements |
核心をなす学術的「問い」を「空間型拡張現実感による光線操作が,現実を超える質感を実現することができるか?」と定め,光線場の計測と投影による現実を超える質感の創出に取り組んでいる.具体的には,質感を持たない中性的な無質感を定義し,質感を持つ物体との無質感との光線場の偏差より質感をもたらす要因(深奥質感)を抽出する.これにより,様々な質感の深奥質感を形成する構成要素を明らかにする. さらに,複数のカメラと複数のプロジェクタを用いた光線場フィードバック系を構築し,無質感化した操作対象の撮影画像が本来の質感と一致する様に光線場を操作する補償フィードバックを行うことで,現実を超える質感の創出を試みる. 2021年度には,研究計画に示した,A1)計測された画像を基に無質感の画像を生成する方法の解明と,A2)複数のカメラと複数のプロジェクタを用いた光線場計測および投影手法の検討を実施した.A1に関しては,光沢物体の無質感化の方法として,直接反射成分と広域照明成分の分離を行い,抽出された広域照明成分を無質感とする方法を検討した.直接反射成分には光沢をもたらす鏡面反射だけでなく,光沢のないランバート反射なども含まれる.従って,広域照明成分からは光沢を表す鏡面反射成分を含まないが,光沢を持たないランバート成分も欠落することになる.しかし,この広域照明成分を目標としてプロジェクタカメラ系で放射輝度補償を行ったところ,直接反射に含まれるランバート反射が欠如した状態でもマットな質感に変化することが確認された.A2については,4対のプロジェクタカメラ系を連携したフィードバック系の制御方法を検討した.研究計画ではA2ではレンズアレイや実像鏡を用いた投影の配光補正も検討する予定であったが,研究開始の遅れによりこれらの検討は着手できていない.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
課題の採択内定より与えられた研究期間で可能な研究を行っているが,A2の複数のカメラと複数のプロジェクタを用いた光線場計測および投影手法の検討では,レンズアレイや実像鏡を用いた投影の配光補正が検討できていない.また,成果発表も十分にできていない.そのため,やや遅れていると判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は,2021年度に実施できていない,A1よびA2の内容について引き続き研究を行うとともに,B1)光線場フィードバックによる補償制御方法の検討とB2)質感を実現する構成要素の考察と提案手法の有効性の評価の2項目を実施する.また,2022年度はこれらの実施項目の成果から,質感物体の光線場データを解析し,様々な質感の深奥質感を形成する構成要素を明らかにする.また,深奥質感の構成要素を手がかりとして,操作結果が現実の質感の増強,延長,もしくは発展であるかを検証することで,現実を超える質感とは何かという問の答えを探求する. 研究成果の発表に関しては,世界的な感染症の影響によって学会の開催日が変則的になっている.このために,想定していたスケジュールで成果発表を行うことが難しくなっているが,その一方で,多くの会議がオンラインで開催されており,移動の必要がないため参加しやすい状況にある.この状況に柔軟に対応し,積極的に研究成果の発表を行う予定である.
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Report
(1 results)
Research Products
(14 results)