Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
私たちは液体などの動きを伴う質感を運動情報からのみで知覚することができる.これまでの研究から大脳視覚高次領野FST野神経細胞が,質感運動に対して選択的な応答を示すことを明らかになった.本研究では,これらの神経細胞が液体らしさの知覚判断に寄与しているか調べるために,人の心理実験と脳波計測を組み合わせた実験を行う.さらに液体らしさを学習させた深層学習モデルの内部ユニットの解析することで,質感運動知覚に寄与する神経基盤を理解する.
液体らしさの知覚判断に神経活動が寄与しているか明らかにするために,人を対象にした心理物理実験で運動弁別課題を行い,課題遂行中の脳波計測を行った.心理物理実験では質感運動刺激対する順応前後の被験者の弁別率の変化を調べ,質感運動刺激に対する順応効果によって弁別率に変化が生じるかを調べるため,予備実験として運動方向弁別課題を行い,順応によって弁別閾の変化が起きることを確認した.また,視覚運動弁別課題遂行中の定常状態視覚誘発電位(SSVEP)を計測し,運動コヒーレンス依存的な応答強度の変化を,初期視覚野,および視覚運動関連領野付近の電極から観察できることを確認した.順応による脳波の変化を計測したうえで,質感運動刺激による順応効果に関する審理実験及び脳波測定を継続的に行う.また,大脳視覚システムに類似性の高い深層畳み込みニューラルネットワークモデルの内部情報表現を解析するために,神経科学手法による受容野解析および選択性解析を行った.その結果,二次視覚特徴に応答する内部ユニットがモデル中間層に多く存在することが解析的に明らかとなった.質感情報は高次視覚特徴量によるものであり,深層学習モデルでも中間層以上の階層で質感情報表現が行われている可能性があることが分かった.
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Journal Article (1 results) Presentation (9 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results) Book (1 results)
電子情報通信学会技術研究報告
Volume: 133 Pages: 16-19