Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
採血や点滴など静脈に針を刺す末梢静脈穿刺は、看護師が日常的に実施する手技であるが、その技能は属人的で個人差が大きく、穿刺の失敗は、患者に身体的苦痛のみならず、穿刺跡が違法薬物使用の誤解を招くなどの精神的苦痛も与えかねない。そこで本研究では、点滴導入時の末梢静脈穿刺に際に、熟練看護師が目視できない穿刺困難な静脈を触診する動作について、指の接触時の力および位置(姿勢)を計測し、探り当てた静脈を超音波画像で測定し、静脈触知の妥当性を評価する。看護師へのインタビュー調査も併用し、穿刺困難な静脈の触診技術を数値的に解明する。本研究の成果は、将来的に静脈触診技術の効率的な教授方法の開発につなげる。
末梢静脈の視認性や触知性を判断するため、化学療法中の患者に視認性の低い末梢静脈を選択する際、看護師がNIR (近赤外線:Near InfraRed)使用群で有意に視認性・触知性が高いこと明らかにした(N.Kuramoto& Y.Watanabe,2022)。末梢静脈穿刺の成功率を向上させるため、2段階駆血法によると血管断面積と血管の深さは従来の駆血法より正の相関がみられた(山下・小関・倉本・渡邉・葭仲・高野,2022)。また、上肢の末梢静脈路確保におい2段階駆血は,末梢静脈血流が充満し皮下組織がより薄くなるため、表皮から目視できない深い血管を選定しやすいことがわかった(山下・渡邉・倉本・小関・葭仲・高野,2022)。しかし、目視できない末梢静脈血管路の穿刺部位の選定には、さらに熟練看護師の血管選定時の触診動作精査する必要がある。熟練看護師8人、新人看護師8人、患者役7人の協力が得られ延べ21人の協力を得て、合計7件を実施できた。触診圧を測定する接触力ウェラブルセンサは、装着する看護師の指腹の幅に影響を受けるため、12mm,16mmのセンサを増設した。結果、熟練看護師は、短時間に橈側皮静脈の末梢側を選定し、少ない荷重で穿刺予定部位を探り当てており、触診時の指尖、指頭、指腹を使い分け、均一かつスムーズな動きで選定していた。新人看護師は、選定時間が熟練看護師の約2倍を要し、触知範囲は狭く限局されおり、触知荷重は安定せずその振福差は大きい。今後は、画像処理ソフトウェアにより、HapLog センサおよび指先等を追跡して3D軌跡データを抽出し、荷重データを参照に触診時の押し込み深さを計測し、動作がなめらかでリズミカルであるほど低い周波数成分に偏るため、触診動作の「なめらかさ・リズミカルさ」を示す指標を求める。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2023 2022
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results, Open Access: 1 results) Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)
Journal of International Nursing Research
Volume: 1 Issue: 1 Pages: e2021-0014-e2021-0014
10.53044/jinr.2021-0014
130008163525