Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
充足可能性問題は現実にある様々な問題の定式化の1つとして用いられる。その中でも、和積標準形論理式の充足可能性問題には、変数に0/1の全割当を試す全探索アルゴリズムよりも指数的に高速なアルゴリズムは存在しないという強指数時間仮説がある。この仮説下では、さまざまな問題に対して、現在知られているアルゴリズムよりも高速なアルゴリズムを設計することは困難であることが示されている。本研究では、多角的な調査や実際にアルゴリズム設計を行うことで強指数時間仮説の理解を深め、この仮説を打ち破る研究の礎となることを目標とする。
本研究の目標は強指数時間仮説の知見を深め、将来的に仮説の否定につなげるための研究を遂行することである。2022年度は強指数時間仮説の否定をするために、まずはそれより強い仮説である極指数時間仮説(Super Strong Exponential Time Hypothesis:SSETH)を否定するために、和積標準形論理式の充足可能性判定アルゴリズムの現状を整理し、より高速なアルゴリズムを構築することを目標とした。各節が高々 k 個のリテラルから構成される和積標準形論理式上の充足可能性問題を k-SAT とよぶ。k-SAT には 2 つの代表的なアルゴリズムがあり、その 1 つである PPSZ アルゴリズムは現在でも幅広く研究され、高速化されている。PPSZ アルゴリズムの前身である、乱択版の PPZ アルゴリズムは k-SAT に二元体上の連立方程式の制約を加えた k-SUB-SAT と呼ばれる問題に対しても k-SAT と同様の計算時間で動くことが知られている。本年度に極指数時間仮説を否定することはできなかったが、PPZ アルゴリズムの理解が深まったことで、決定性版の PPZ アルゴリズムでも k-SUB-SAT を k-SAT の決定性 PPSZ アルゴリズムと同様の計算時間で解くことを示すことができた。しかし、国際会議および論文誌への投稿は完了しておらず、現在投稿準備中である。また、本研究で目標の1つとしていた、他班との連携や ACT-X の研究者との連携の実施の結果として、区間最長回文を求めるアルゴリズムの構築や、LZ分解に関する文字列の問題に対して、その最適解が NP 困難であることなどの結果を出すことができた。これらの結果は、国際会議に採択されている。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2023 2022
All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results, Open Access: 2 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results)
Lecture Notes in Computer Science
Volume: 13973 Pages: 127-138
10.1007/978-3-031-27051-2_12
Leibniz International Proceedings in Informatics
Volume: 259
IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences
Volume: E105.A Issue: 9 Pages: 1298-1308
10.1587/transfun.2021EAP1120