Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
Sensor Processor Actuator(PSA)ユニットによる情報伝達は、内外が区別された微小なコンパートメントに対する化学的刺激のインプットとアウトプットの連続よりなされ、各コンパートメントにおける刺激の受容や伝達を行う分子はユニットの重要な「部品」と位置付けられる。細胞への外部刺激の入力を担う受容体等の膜貫通領域には集合化したヘリックス構造がよく見出され、同構造は膜を介したコミュニケーション素子の構造として最適と考えられる。本研究では、人工的にデザインしたヘリックスペプチドを用いて、PSAユニットへの外部刺激の入力を行うためのリガンド-受容体分子群の構築を目指す。
本研究では、SPAユニットへの情報の入力やリポソーム間での情報伝達に関わる分子の設計・開発を目指し、脂質膜で機能する小型ペプチドの組織化とそのコントロールについて検討した。具体的には、脂質膜中で一定の集合状態をとり、可能な限り構造を単純化したヘリックスペプチドの開発を目指した。過去に代表者は、強力にヘリックス構造を誘導する特性を持つ2-アミノイソ酪酸を導入したヘリックスペプチドを二量化させ、静電的に会合させる技術を確立している。本研究ではこのペプチドを、脂質膜中で機能する受容体様インターフェースとして応用可能かを検討した。構成アミノ酸残基の50%を2-アミノイソ酪酸とし、両親媒性構造を持つ20残基のペプチドを基本骨格とした。このペプチドの親水面に正電荷または負電荷を導入したヘリックスをヘテロに二量化させたペプチドは、ナノモーラーレベルの濃度でも脂質膜に対して強く集積することが示唆された。膜成分の組成によってペプチドによる膜破壊が認められたため、このペプチドを脂質膜中で組織化・機能化するにあたって膜組成が重要であることが示唆された。また、一連の検討から、両親媒ヘリックスの疎水面に分岐アミノ酸を導入したペプチドは、上記のような二量化を行わなくとも、高い脂質膜への集積性と自己会合性を持つことが示唆され、本研究で目指す機能を持つペプチド骨格として優れていることが示された。また、一連の検討を行ったペプチドのうちいくつかのもので、分子間会合によるファイバー状構造などの、より大きな構造体を形成する可能性が期待できたため、先端バイオイメージング支援プラットフォーム(ABiS)の支援のもと、水溶液中でのペプチドによる構造体の形成などについても併せて評価を行った。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021
All Journal Article (5 results) (of which Peer Reviewed: 5 results, Open Access: 2 results) Presentation (8 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Invited: 2 results)
Journal of Applied Pharmaceutical Science
Volume: 12 Pages: 036-047
10.7324/japs.2022.120805
The Journal of Antibiotics
Volume: 75 Issue: 10 Pages: 552-558
10.1038/s41429-022-00549-z
Biochemistry
Volume: 60 Issue: 29 Pages: 2300-2308
10.1021/acs.biochem.1c00247
Int. J. Mycobacteriol.
Volume: 10 Issue: 3 Pages: 307-311
10.4103/ijmy.ijmy_137_21
工学教育
Volume: 69 Pages: 31-39