QCDの高精度計算が拓くフレーバー物理
Publicly Offered Research
Project Area | New Developments of Flavor Physics |
Project/Area Number |
22011012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Juntendo University (2011) High Energy Accelerator Research Organization (2010) |
Principal Investigator |
清 裕一郎 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60571338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 和廣 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70263671)
山田 憲和 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (50399432)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2011: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 摂動QCD / 格子QCD / B中間子波動関数 / 光円錐波動関数 / かイラル・フェルミオン / チャーモニウム共鳴 / 摂動論的QCD / カイラル・フェルミオン / オクテット・チャーム・レゾナンス |
Research Abstract |
本研究は、H22年度~H23年度の2年の研究期間で、QCDの高精度計算に基づいたフレーバー物理の新しい准展を目指した研究である。研究課題としてB中間子の稀崩壊の物理、そしてK中間子の行列要素の格子QCDによる非摂動計算を中心に行なってきた。後者の課題に関して研究初年度のH22年に成果があり既に論文として発表されている。本年度はB中間子の稀崩壊の物理に関係した研究課題で成果が得られ、論文として発表した。以下にその詳細を纏める。 1.光円錐波動関数はB中間子崩壊過程で重要な役割を果たす物理量である。また、Bファクトリーにおける精密測定の実験データを有効利用するためには、B中間子光円錐波動関数のQCD第一原理に基づく計算が必須である。本研究ではQCD和則に基づくクォーク・グルオンの3体波動関数の寄与を計算した。また得られた光円錐波動関数を用いてQCD因子化の方法に基づくB→γ1ν崩壊のNLOの計算を実行した。研究成果は論文として出版され、幾つかの国際会議にて発表した。 2.チャーモニウム・レゾナンスはB中間子の崩壊断面積に大きく寄与し、B中間子崩壊過程から新しい物理の寄与を引き出す際に重要となる。本研究において、特にB→K1^+1^-,K^*1^+1^-崩壊過程におけるチャーム・レゾナンスの効果を非相対論的QCDを用いて研究した。B中間子稀崩壊に寄与する短距離補正とオクテット、クォーコニウムを含むソフトな補正の計算を完了させ、その成果を研究会や学会にて発表した。今現在、ソフト・コリニア・スペクテータ相互作用の寄与を計算中である。最終的には、これらの成果を総合的に纏めて論文として出版する予定である。関連した研究として、光子構造関数に関するチャーモニウム・レゾナンスの効果を計算して論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目標はQCDの高精度計算を通じてフレーバー物理の新しい進展を目指すことであるが、様々な結果を研究成果として論文発表されている。また研究代表者,分担者,共に各種研究会やワークショップにて研究成果を精力的に発表している。また、関係する分野の研究者達と活発に共同研究を行い、国際的なワークショップのオーガーナイザーを務めるなど、フレーバー物理の研究分野における研究者間の相互支援にも貢献した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、H23年度が研究最終年度である。
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Report
(2 results)
Research Products
(16 results)