Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
大規模銀河分光サーベイによる赤方偏移歪み測定は、宇宙物理的な系統誤差が少ないダークエネルギー問題へのアプローチとして世界的に期待されている。すばるの新観測装置FMOSは、直径30分角の領域で一度に400天体の近赤外スペクトルが取得できるという大変ユニークな装置である。日英のFMOSチームを中心に、このFMOSを用いた大規模銀河サーベイ(FastSound計画)が現在検討されている。すばる望遠鏡で40晩程度の観測時間を使い、30平方度の領域で1万もの銀河のスペクトルを取得し、これによりz>~1という最遠方の赤方偏移歪みを検出し、構造形成速度を測定することで宇宙論的スケールでの重力理論の検証を行う。いよいよ23年度から、このFastSound計画が本格的にスタートし、観測が開始されてデータも取得できた。本研究費は主に旅費として使用し、日英豪に分散する研究者の相互交流と準備研究の推進が行われた。最初の試験観測データを吟味し、サーベイデザインを最終的に確定した。初期データをさらに吟味して、輝線検出法の確定など、本格的な解析作業も始められた。すでに全体の1/4ほどのデータが取得され、パワースペクトルを計算するための準備も進めた。このFastSoundプロジェクトは、実現すれば初の日本主導の宇宙論目的大規模銀河分光サーベイとなる。それを通して経験蓄積や人材育成も目指し、さらなる次世代サーベイでも日本が大きな貢献ができるような形を目指していきたい。
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
実際にサーベイデザインを確定し、予定通りにサーベイを開始できたため。
予定通りにサーベイプロジェクトを進めていく。
All 2011 2010
All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (2 results)
PASJ
Volume: 63 Pages: 1181-1206
The Astrophysical Journal
Volume: 728
Monthly Notices of the Royal Astronomical Society
Volume: 411 Pages: 464-468